高卒資格とは?高卒認定試験との違いや採用における評価
学歴に悩んでいる方は
「高卒資格とは何?学歴は高卒になる?」
「どうやって取るの?」
「高卒資格があれば就職が有利になる?本当のところを知りたい」
「高卒資格と高卒認定試験はどう違うの?」
といったことを考えていませんか?
私はこれまで約10年間、採用担当者として勤務し高卒資格を取得した方の採用もかかわってきました。
結論からお伝えすれば高卒資格を取得すれば就活が有利になります。
ただし、高卒資格と高卒認定試験の違いは理解しておきましょう。
かんたんに取得しやすい高卒認定試験に合格し、大学へ進学すれば大卒扱いとなります。
目的によって使い分ける必要があります。
この記事を読めば、高卒資格の意味・目的と取得方法が理解でき、スムーズに資格を取得することができます。
最後まで読まないと「しまった、遠回りしてしまった」と後悔するかもしれません。
ぜひ一読してください。
目次
高卒資格とは?わかりやすく解説
高卒資格とは、正式には高校卒業資格といいます。
学校教育法第1条で定められた全日制高校、定時制高校、通信制高校を卒業することで得られる資格です。
参考:学校教育法|文部科学省
高卒資格を取ることで、大学に進学したり、就職をする上で有利になることがあります
また、卒業までに必要な以下の3要件を満たすことで高校卒業資格を得ることができます。
- 3年間以上の在籍期間
- 習得単位数74単位以上あること
- 高等学校学習指導要領で定められた必修科目を履修して、各学校が定めた教科・科目の履修または単位の修得をしていること
次は、「高卒資格」と「高卒認定試験」の違いを解説していきます。
高卒資格とよく比較されるものに「高卒認定試験」があります。
目的が全然別で費用も期間も全く違うため、しっかりと違いを理解しておく必要があります。
ひと目で分かる!「高卒資格」と「高卒認定試験」の違い
高卒資格と高卒認定試験の違いとして、高卒資格は資格を取得すればそのまま高卒扱いで就職等が出来ます。
反対に、高卒認定試験は試験に合格後、専門学校や大学を卒業しない限りは中卒という扱いになります。
難易度や目的から違いを一覧表にしました。
比較軸 | 高卒資格 | 高卒認定試験 |
目的 | 高校卒となり企業に就職する | 大学や専門学校の受験資格を得る |
取得の難易度 | 一般的な高校と変わらない | 合格率40%前後 |
必要な期間 | 3年間 | 半年程度 |
費用 | 6万円程度 | 8,500円 |
取得の方法 | 定時制高校または通信制高校 | 試験に合格する |
大学に早く進学したい場合には高卒認定試験を受けるのがいいでしょう。
また、高卒で就職したい場合には高卒認定試験を受けるのが良いです。
次は、高卒認定試験と高卒資格の特色について解説します。
高卒認定試験で得られるのは大学受験と専門学校受験の権利のみで、実質中卒
高卒認定試験は旧称を大学入学試験検定といいました。
旧称からも分かるように大学入学試験の資格を得るための検定試験です。
高卒認定試験で合格者が得ることが出来るのはあくまでも大学や専門学校などの受験の資格のみです。
高卒認定試験に合格しても、大学や専門学校等を中退すると中卒となることに注意するようにしてください。
参考:高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)|文部科学省
高卒資格は得ることで、企業の採用や公務員採用試験で高卒の給与を得られる
高卒資格を得ることで、企業の採用や公務員採用試験で高卒の給与を得ることができます。
「中卒者では受験できない企業」や「公務員試験でも高卒者以上でなければ受験資格のない企業」
の受験資格を得ることにもなります。
高卒資格を取ることで、安定した生活への道が拓けるということです。
「高卒資格」と「高卒認定試験」の違いまとめ
- 高卒資格は資格を取得すればそのまま高卒扱いで就職等が出来る。
- 高卒認定試験は試験に合格後、専門学校や大学を卒業しない限りは中卒という扱いになる。
- 大学に早く進学したい場合には高卒認定試験を受けるのが良い。
- 高卒で就職したい場合には高卒認定試験を受けるのが良い。
- 高卒認定試験で得られるのは大学受験と専門学校受験の権利なので、実質は中卒扱いになる。
- 高卒資格を得ることで、企業の採用や公務員採用試験で高卒の給与を得ることができる。
次は、高卒資格をとっていないと直面する問題について解説します。
高卒資格を取るべし!高校を出ていないと現実的には就職が難しい
「高校を出なくても人生なんとかなる」と思っていませんか。
ハローワーク求人すら高卒でないと門前払いとなっている状態です。
企業が中卒を採用したがらない理由として、高い離職率の問題があります。
ハローワークの発表によると、中卒者は会社に入社してなんと半数以上が3年以内に会社を辞めます。
人材の採用にはお金も時間もかかるため、離職する可能性の高い中卒者は採用されにくいですね。
次は、高卒資格を最短で取得する方法について解説します。
高卒資格を最短で取得するには方法は3つ
「高卒資格を最短で取得するのはどうすればよいのだろうか」と悩んでいませんか。
高卒資格を最短で取得するためには、以下の方法があります。
- 定時制(夜間などに通学)の学校に通うことで高卒資格を手に入れる
- 通信制の学校に通うことで高卒資格を手に入れる
- 高卒認定資格を取得し大学へ進学し大卒を手に入れる
それぞれについて解説します。
定時制(夜間などに通学)の学校に通うことで高卒資格を手に入れる
定時制(夜間などに通学)の学校に通うことで、高卒資格を手に入れる方法があります。
仕事終わりから学校に通うことになるのでしんどくはなります。
ですが、3年間しっかり通っていれば卒業させてもらいやすい側面もあります。
ちなみに過去に高校を中退している方は、中退した高校に「単位習得証明書」
を発行してもらうことで、習得していた単位を短縮することが可能です。
通信制の学校に通うことで高卒資格を手に入れる
通信制の学校に通うことで高卒資格を手に入れる方法もあります。
通信制の高校は通学の手間がないため便利ですが、自分で勉強するモチベーションが必要となります。
また、クラスメートなどもいないため、孤独な状態で勉強を頑張ることになってしまいます。
高卒認定資格を取得し大学へ進学し大卒を手に入れる
高卒認定資格を取得して、大学へ進学して大卒の資格を手に入れる方法があります。
「大卒資格を最初から取りたい方」や、「大学にいって勉強したい分野がある方」
は高卒認定資格を手に入れて、大学入試に合格するほうが近道です。
高卒資格を最短で取得する方法まとめ
- 定時制(夜間などに通学)の学校に通うことで高卒資格を手に入れる。
- 通信制の学校に通う。
- 高卒認定資格を取得して、大学へ進学して大卒の資格を手に入れる。
次は、高卒資格を取得するための費用について解説します。
高卒資格を取得するための費用は?公立であれば年間2万円以内で収まる
「高卒資格を取得するための費用ってどれくらいかかるの」と不安になっていませんか。
高卒資格を取得するためにかかる費用は公立であれば年間2万円以内で収まります。
事例として、京都府の学校2校について紹介します。
- 通信制高校(事例:京都府 朱雀高校の場合)
- 定時制高校(事例:京都府の場合)
それぞれについて解説します。
【事例】通信制は京都の朱雀高校など、年間2万円
通信制は京都の朱雀高校では年間2年間で受講することができます。
3年間で6万円程度で高卒資格を得ることができます。
全日制の高校に通えば公立でも3年間で36万円程度は学費かかるため、非常に安価で授業を受けられます。
【事例】公立の定時制は京都府の場合、年間1.5万円
公立校の定時制は京都府の場合、年間1.5万円程度で受講することができます。
3年間で4.5万円程度で高卒資格を得ることができます。
全日制(一般的な通学)の府立高校に通うと3年間で36万円程度は学費がかかります。
それを考えると、非常に安価で高卒資格を得ることが可能です。
次は、採用担当者からみた高卒資格者の印象について解説します。
採用担当者からみた高卒資格者の印象は努力した人
「採用担当者的には高卒資格者の印象はどんな印象なの」と気になっていませんか。
採用担当者からみると、高卒資格者は努力した人という印象になります。
他の応募者が高校をストレート卒業している中なので、理由は気になります。
ですがちゃんと高卒資格を得る努力をしたことは、プラス評価となります。
ただし、以下のことに気を付けて下さい。
- アピールの仕方
- 高校に通わなかった理由を前向きに話すようにする
それぞれについて解説します。
アピール次第では頑張ったという印象を持つ
アピール次第では頑張った人であるという印象を持つことになります。
出来るだけ、学校生活で努力したことを強調するようにしてください。
通信制であれば「勉強するモチベーションを保った方法」や「考え方」
定時制であれば、「出席すべき日にしっかりと出勤して真面目に学校に通った」
など、真面目さをアピールできるようにしてください。
面接では「なぜ高校に通わなかったのか」などの理由を前向きに話すようにしよう
面接では「なぜ全日制の高校に通わなかったのか」などの理由を前向きに話すようにしましょう。
後ろ向きに答えるのではなくて、「定時制高校に努力して通い、無事高卒資格を得ることができるようになった」
と答えるほうが良いです。
「一度レールから外れたけれど、頑張って戻って来れるように努力した」
と伝えることで前向きに話すようにしましょう。
次は、高卒資格を取った人を採用した事例を紹介します。
【事例】高卒資格を取った人を採用した事例
筆者が採用担当者のとき、20歳の高卒資格を定時制高校で取得した人を採用したことがあります。
学校に通えなくなった理由としては、勉強についていけずに全日制の高校を辞めてしまった方でした。
全日制の高校を中退したあとは定時制の高校に通いなおし、なんとか卒業されました。
懇意にしていた学校の先生の紹介で採用に至りました。
評価ポイントとしては、
「レールから外れたことを自覚してしっかりと真面目に勉強をして、前向きに努力されていた点」
でした。
まとめ
高卒資格とは、正式には高校卒業資格といいます。
学校教育法第1条で定められた全日制高校、定時制高校、通信制高校を卒業することで得られる資格です。
高卒認定は大学等の受験資格を得るための資格です。
高卒資格は高校を卒業して企業や公務員試験の採用枠で高卒として採用してもらうことができる資格です。
高卒資格を取得しないと現実的には、就職は厳しいといえます。
高卒資格を最短で取得するには方法は、以下の3つです。
- 定時制(夜間などに通学)の学校に通うことで高卒資格を手に入れる
- 通信制の学校に通うことで高卒資格を手に入れる
- 高卒認定資格を取得し大学へ進学し大卒を手に入れる
高卒資格を取得するための費用は、公立であれば年間2万円以内で収まります。
採用担当者からみた高卒資格者の印象は努力した人という印象です。
前向きなアピールを行い、採用してもらえるようにしましょう。