高卒の転職・再就職が厳しい理由3つと乗り越える方法を人事が解説!

高卒だと転職しにくいのかな

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高卒だと転職しにくいのではと悩んでいませんか。

筆者は約10年間、採用担当者を経験してきましたが高卒の定着率は50%と低く、よほどの理由がないと転職は非常に難しいでしょう。

つまり、高卒は基本的に新卒で教員が紹介してくれた企業に紹介で就職したところを辞めてしまうと、後の転職が大変であるといえます。

一方で、少子高齢化を背景として深刻な人手不足に悩まされている業界もあり、職歴や学歴を問わず未経験者を歓迎している企業も多くあります。

世間一般的には高卒での転職は厳しいとされていますが、決して不可能ではありません。

たとえば、就職カレッジといった高卒の就職支援に強みを持つサービスを利用するだけで劇的に内定率が上がります。

若手の未経験就職に特化したサービスであるため高卒向けの求人を多数保有しており、実際に高卒を欲しがっている企業を紹介してくれます。

また転職の具体的な対策をするなら企業が高卒転職者に対して抱きやすい懸念点を理解することも必要です。

高卒転職で苦労したくない、という方はぜひ最後まで一読してください。

この記事のポイント

  • 高卒の転職が厳しい理由は、短期離職の方が多い・応募資格に大卒以上の企業が多い・働く意義が見いだせないの3つ
  • 大卒者の方が高卒よりも4万円ほど給料が高い
  • 就職カレッジなど高卒の就職支援に強みを持つサービスを利用するだけで書類選考が免除され劇的に内定率が上がる
  • 高卒転職の厳しい現実を乗り越えるためには自己分析・企業分析することが重要

高卒の転職・再就職が厳しい理由は3つ

高卒の転職や再就職が厳しい理由として「短期離職で採用担当者の納得感が得られない」「募集要項が大卒以上となっている企業が存在する」「働く意義・目的が見いだせず安定した就労が見込めない」といった理由があります。

短期離職で採用担当者の納得感が得られないから厳しい

現職(または前職)の職場を短期離職してしまい、その説明が不十分で採用担当者の納得感が得られない人は転職活動が厳しくなるでしょう。

特に高卒で就職して最初の会社を1年も経過せずに退職している場合には、仕事の継続性が乏しいと判断されることが多いでしょう。

とくに高卒の場合は現業職に配属されることが多いため、短期で辞める高卒正社員を採用するくらいなら、派遣社員や契約社員を採用しようと採用担当者は考える傾向にあります。

募集要項が大卒以上となっている企業が多いから厳しい

募集要項が大卒以上となっている企業が多いため、高卒では応募要件を満たせず転職活動が厳しくなります。

大卒と高卒で賃金区分や任せる仕事のレベルなどを就業規則で明確化している企業が大企業を中心として多く、企業の経営などに関わる基幹職(設計・開発・人事)などには高卒者を採用しないと決めている企業もあります。

応募要件を無視してエントリーしても落とされるだけです。

最初から無視して高卒者も応募できる求人を探す方がよいといえます。

働く意義・目的が見いだせず安定した就労が見込めないから厳しい

働く意義・目的が見い出せず安定した就労が見込めない人は、採用されにくい傾向にあり厳しくなります。

自己分析を徹底して、安定した就労を得た先に何がしたいのかを見込むようにしてください。

具体的には、まず学生時代から過去をさかのぼって自己分析をします。

そして何歳の段階で家を買いたい・結婚したいというようなプライベートの目的から、仕事上で得たいものを整理しておくようにしましょう。

働く目的を自分なりに整理しておくことは大切です。

高卒転職の給料水準

高卒転職の給料水準として、従業員数1万人以上の大手製造業を一例として紹介します。

基本的にメーカーは学歴と年齢で給与が決定される方式となっているので、分かりやすいといえます。

分かりやすく表で解説します。

転職先 高卒の給与 大卒の給与
18才〜21才 165,000円
22才〜29才 181,000円〜209,000円 205,000円〜240,000円
30才〜35才 213,000円〜223,000円 245,000円〜295,000円
36才〜40才(係長)

227,000円〜247,000円

係長手当一ヶ月5万円プラス

300,000円〜324,000円
係長手当一ヶ月10万円プラス

※課長職級以上は役職給のため、役職に応じた給与となります。

高卒と大卒の転職先の違い

高卒と大卒の転職先の違いとして、大きく分かれるのは職種と役割です。

高卒で転職すると、失敗すると正社員雇用は難しくなるといえます。

また、大卒者は業界を問わず転職できる傾向にあるのに対して、高卒者は製造業など現業職のある業界以外では少し働きにくくなります。

転職先 高卒転職 大卒転職
業界 メーカー、飲食店などの現業職(※)がある業界 どこでも可能。
職種・役割 現業職(※)・課長で出世が止まる 基本的に意思があれば様々な職種に挑戦可能・役員まで出世することが転職後も可能

※印のある「現業職」とは、管理職(部長級以上)、事務職、研究開発職以外の仕事に従事する従業員のことを指します。

参考:現業職とは何? |Weblio辞書

主に工場における製品製造などの生産職、運送会社のドライバー、店舗などにおける接客販売を直接行う人です。

高卒転職の厳しい現実を乗り越える方法

高卒の転職が大変な理由としては、離職率が中卒に次いで高いという現実があるためです。

つまり離職率の高さは、中卒>高卒>大卒となります。

参考:七五三現象|Wikipedia

昔から学歴別の3年以内離職率の統計を取ると753(シチゴサン)と呼ばれる現象が起こります。

学校を卒業してから中卒は3年で7割が会社を辞め、高卒は5割会社を辞めるというものです。

大卒が最も離職率が低く、3割となっています。

3年以内の離職率の割合:中卒7割:高卒5割:大卒3割

753現象があるため、企業は中卒や高卒をあまり採用したくないと考えていることもあります。

高卒転職の厳しい現実を乗り越えるためには自己分析・企業分析でキャリア形成することがポイントとなります。

高卒が転々と転職するのを止めるためには、自己分析・企業分析をして、自分のしたい仕事を見つけることが大切です。

その結果、働くモチベーションが高まり、困難も乗り越え、スキル・経験・周囲からの信頼が積み重なり、キャリアが積み上がっていくためです。

時には我慢することも大切です。

自己分析・企業分析は転職エージェントで受けられる

自己分析・企業分析のやり方がわからずに悩んでいる高卒の方は非常に多く、筆者もよく相談を受けます。

自己分析や企業分析は自分1人で行っても失敗する可能性が非常に高いといえます。

客観的に自己分析を行う必要性があるのに対して、自分ひとりでは自分自身を客観的に見ることが難しいためです。

転職エージェントを活用することで、客観的かつ精度の高い自己分析を行うようにしてください。

また、企業分析に関してもインターネット上だけの情報を見ても、精度が低いことも多々あります。

転職エージェントからしっかりと企業情報を貰ったうえで企業分析を行ったほうが結果的には、良い企業分析を出来る可能性が高くなります。

高卒の転職についてよくある質問

転職を目指す高卒の方から筆者の元に質問が実際に届きます。

質問の中からよくあるものについて回答していきます。

高卒転職で資格は必要ですか

高卒転職で事務職を狙う場合には、資格は特に必須ではありません。

しかし、現業職での転職となる場合には、以下の資格を持っておくと非常に有利となります。

フォークリフトを持っておけば倉庫での採用は圧倒的に有利になりますし、玉掛やアーク溶接を持っておけば工事現場などで採用に有利になります。

電験三種は電気工事などを行うことができるため、ビルメンテナンス業界では非常に重宝されます。

筆者がおすすめするのは、ハローワークが主催する職業訓練に参加することです。

特に電験三種は難易度が高く、学校で勉強した方が資格を取りやすいです。

受講申し込みは各都道府県の住所地を管轄するハローワークから行うことができます。

雇用保険に加入していない場合でも、要件を満たせば月10万円を受給しながら受講することができます。

ぜひ、活用してみて下さい。

参考:雇用保険を受給できない求職者の皆さまへ 求職者支援制度があります!|厚生労働省

参考:あなたのしごと探しに、役立つスキルを。ハロトレ特設サイト|厚生労働省

高卒女性に有利な就職先はありますか

女性に有利な就職先としては、女性が経営者や人事部長を勤めている企業や、化粧品メーカーなど女性ならではの仕事がある企業に行くことが良いといえます。

メーカーなどでも女性役員が誕生するなど、様々な改革が行われていますが、まだまだ女性が本当に活躍できるレベルに達しているのかは疑問が残ります。

女性が活躍しやすいのは、女性の多い業界であるといえます。

高卒で大手企業に就職する方法はありますか

高卒の方で大手企業に就職する方法としては転職エージェントで大手企業に応募してみましょう。

もちろん簡単に内定とはなりづらいですが、可能性が無いわけではありません。

ITベンチャーや創業20年くらいまでの会社であれば十分、入れる可能性はあります。

>就職カレッジで転職相談する

ちなみに製造業などであれば大手企業の現業職の場合は、資格を持っているほうが有利になります。

電験三種やフォークリフトの運転免許など、仕事で実際に使う資格を出来るだけたくさん取得することで、現場で出来る仕事の範囲を拡げれば大手企業に採用される可能性はアップします。

参考:試験案内一覧(第三種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

参考:フォークリフト運転者 – Wikipedia

まとめ

高卒の転職が難しい理由としては、大卒向けの求人が多いことと、離職率が高いため採用で敬遠されがちであることです。

また、現場仕事で体力を使う肉体労働に就業することを求められることが多いため、ハードな職場に嫌気がさして転職をしても、非正規雇用で賄えば十分と考えられてしまうことも、高卒転職が難しい原因となっています。

対応策としては、出来るだけ現場仕事で使う資格を取得すること、自己分析をしっかりと行い、自分のやりたい仕事を明確にすることが大切です。

自己分析と企業分析に関しては自分ひとりで行うことは難しいということもあります。

そのため、出来るだけ転職エージェントを活用するようにしましょう。

自分ひとりの力で転職活動をするよりも、プロの力を借りて転職をしたほうがスムーズにいきます。

参考文献

監修者

上場・ベンチャー・中堅企業で様々な役割を経験。今なお、採用・人事の業務を最前線で経験し、「いま」の「生きた」知見を発信しています。