期間工から正社員になりやすいメーカ-5選!登用の条件やポイントを解説

期間工から正社員になりやすいメーカ-5選!登用の条件やポイントを解説

【NEW】2025年12月9日更新

「期間工から正社員になりたい!」と思っていませんか?

期間工として期間限定で働くよりも、長く働けて収入が安定する正社員で働く方が安心です。

しかし誰でも期間工から正社員になれるわけではありません。

私はこれまで何十名の正社員試験登用の合格者を見届けてきました。

その結果、期間工から正社員へなれた人には傾向があることに気づきました。

その正社員への狭き門を突破するためには、

「キャリアに応じたアピールポイント」

「正社員に必要なスキル・考え方」

「正社員になりやすい会社の選び方」

を理解しておく必要があります。

それだけでとるべき行動が変わってくるので、正社員雇用への成功確率は上がります。

この成功確率を上げて、一時的な期間工ではなく正社員として働けるチャンスをぜひ掴み取りましょう。

目次

期間工から正社員になるための条件

期間工から正社員になるための条件としては3つあります。

いずれも正社員になりたい!という気持ちがあれば自然に出来る行動なのですが、係長の気持ちを汲めない若手が昨今急増していますので、ここでご紹介したいと思います。

特に社内行事へ参加するかどうかは係長や課長などが正社員登用したいなと感じる期間工に声をかけていることが多いです。

声がかかったらむげに断ったりしないようにして下さい。

正社員にしたいから休日に社内行事に参加してまで顔を売ってこいと言うのが本心なのです。

憎くて言っているわけではなく、親切心からであることが多いのです。

マラソン大会の人数合わせで期間工を正社員が参加するような社内行事に参加しろと言いません。

条件1:決められた期間以上期間工として勤務している

期間工から正社員を目指すには、正社員登用試験を受ける必要があります。

受験資格の一つに、一定期間以上期間工として勤務していることを条件としているメーカーがほとんどです。

一般的には半年から1年ほどですが、中には2年以上の勤務期間を設けているメーカーもあるため、予め確認しておく必要があります。

条件2:上司による推薦を受ける

正社員登用試験を受ける場合、ほとんどが係長推薦のように上司による推薦が必要です。

正社員への打診が来やすいように、普段から自分は正社員登用されたいんですと上司にアピールするようにして下さい。

正社員になりたいかどうかわからない期間工に正社員登用の打診をすることはよほど人手不足に陥っていない限りはあり得ません。

自ら「正社員にこの会社でなりたいんです」とアピールすることを忘れないようにして下さい。

条件3:勤務態度の評価が高いこと

勤務態度の評価は、正社員登用試験において非常に重要です。

勤務態度の評価が悪いと上司の評価も受けられないため、普段から意識しておく必要があります。

具体的に勤務態度とは、

  • 遅刻や欠席をしないこと
  • まじめに仕事に取り組んでいること
  • 周囲とのコミュニケーションが良好であること

などが挙げられます。

また、労働組合が主催する運動会や、会社主催のマラソン大会などの社内行事には積極的に参加することも効果的です。

理由としては社内行事に参加することで期間工でも役員に覚えてもらう事が出来ますので、正社員登用試験に有利になってきます。

正社員登用試験の内容と流れ

正社員登用試験の内容は簡単な筆記試験と、あとは面接です。

会社によっては論文を提出させるところもありますが、ごく一部です。

正社員登用試験の流れ

まずはどの会社でも共通するのは上司(課長と係長)の推薦が必要です。

課長と係長が必要が期間工から正社員にしたいという推薦を人事に対して連絡し、正社員候補者を決定します。

そして、筆記試験と面接選考を行い、合格すれば正社員となります。

筆記試験の内容は算数が重要!

筆記試験の内容は難しいものではありません。

中学卒業レベルの学力があればパスすることができます。

試験内容

中学卒業レベルの算数、英語、国語が筆記試験の主な内容となってきます。

算数は特に点数を取れるようにしておいてください。

対策

ほとんどの会社で人事が簡単な計算ドリルや英単語帳、国語ドリルを貸与してくれると思いますので、とにかく登用されることが決まったら勉強するようにして下さい。

過去問等が配られることはありません。

なので、正社員登用試験に合格した人が職場に何名かいると思いますので、話を聞くようにしてみて下さい。

これが実は一番手っ取り早い方法です。

昼食を取る時間に食堂や喫煙所などで正社員登用された人を捕まえて話を聞いてみて下さい。

試験用紙は人事が回収して厳重に保管していますので、ゲットする方法はありません。

正社員に登用されたら履歴書と一緒に管理ファイルの中に厳重に保管されます。

面接の内容は伝え方に気をつける

特に正社員登用試験の面接にあたって意識して頂きたいのは、「普段仕事をしていて創意工夫しているかどうか」「漫然と作業をしていないか」という部分です。

昨今では自動車業界は取り巻く環境が激変しており、常に改善しながら仕事をしていく姿勢を持った人材を募集しています。

質問内容

「どんな仕事をされていますか?」

と聞かれたら

「○○という工程を担当しています。」

と単純に答えないでください。次のように

「○○という工程を担当しており、コスト低減のために出来るだけ○○の使用量を抑える工夫をしながら仕事をしています」

という風に、自分なりに工夫しているという部分をアピールするようにして下さい。

漫然と目の前の仕事をこなすという姿勢は正社員には最もNGな行為です。

単純労働力としての期間工としてではなく、正社員となって会社の一員となった場合に「どのような工夫をしながら会社全体で利益を出せるか常に考えている」姿勢を見せるようにして下さい。

「どのような創意工夫をされていますか」という質問に対しては具体的に答えるようにして下さい。

「検査工程において照明が暗くて不良品を見落とす可能性が高いと判断して、総務にお願いしてライトの量を追加してもらうなど、仕事中に不良品を見落とす原因をなくすようにしてみました。」

総務にお願いしたというと自分ではやっていない改善だと思いますが、総務にお願いするくらいコミュニケーションが取れる人物だと判断されることもあります。

対策

具体的にどのようにコストカットに対して意識を持って仕事をしているか、仕事に対する環境に意識を配っているかをアピールできるようにして下さい。

具体的には「○○という工程で使用する消耗品を1日あたり○○リットル少なくして、コストカットを行いました。」という風に数値を意識して伝えるようにして下さい。

漫然と仕事をしていると受け取られないようにする必要があります。

期間工が正社員になれる理由3選

企業が正社員登用試験を実施するのには理由があります。

正社員になれる理由1:製造現場の正社員は採用ルートが新卒での高卒採用しかない

トヨタ自動車を筆頭として、期間工を採用している自動車会社の製造現場の正社員は工業高校から新卒を採用するという形を徹底しています。

最初から現場に正社員を採用するということが上記のルート以外では社内の採用ルールで行えなくなっているので、期間工からの正社員登用者を募る事で人員補充を行っています。

つまり製造現場の正社員は、工業高校からの新卒を採用するか期間工から正社員登用するかしか現状は手段がありません。

正社員になれる理由2:人手不足

最近は異常な人手不足に陥っており、そもそも正社員の採用すら充足できていません。

前述した工業高校卒の新卒すら3K(汚い・キツイ・危険)のイメージが付いているブルーカラー労働の自動車産業の正社員になることを避ける傾向にあるため、製造現場の正社員の人数が足りていません。

正社員になれる理由3:期間工時代の仕事ぶりを見てから正社員採用出来る

いきなり製造現場に正社員を雇用して、もしもうつ病や大病を患っていたり、仕事に耐えうる人物でないということが判明すれば会社としては大損害です。

期間工とは異なり、正社員は絶対に定年を迎えるまで解雇することが出来ません。

製造現場の正社員はラインの稼働率を維持するために必要不可欠な存在ですから、すぐに退職されては困ってしまいますし、適性がない人材を正社員で雇用することはリスキーです。

そこで、期間工で一定の年数を勤めて仕事ぶりを見てから判断した方が得策であると人事は考えています。

期間工から正社員に受かりやすいポイント4選

期間工から正社員になる人の4つの傾向をご紹介いたします。

会社を休まない

期間工の評価は全て勤怠にかかっています。

勤怠の悪い期間工は信用されていませんし、正社員雇用の対象者からすぐ外されてしまいます。

会社を休まないことが一番大切です。

所属長(課長、係長)から評価されている

多少はゴマすりの要素もありますが、現場の所属長から評価されていれば必ず正社員登用への声がかかります。

上司の意見を汲んで素早く動ける人材は評価されますし、何よりも会社から信頼されます。

高学歴

学歴が高い期間工も最近では珍しくなくなってきています。

同志社大学を出て期間工になる若手もおり、仕事面でも段取りやコミュニケーション能力が高いため最短で正社員登用された人物もいます。

気が強い

期間工は現場仕事の中でも体力も必要ですが、それ以上に必要なのは負けん気の強さです。

気の弱い人は自動車メーカーの正社員にそもそも向いていません。

気性の荒い社員が多いためです。

気の強い人の方が自動車メーカーの正社員に向いています。

期間工から正社員になれない人の特徴3選

正社員になれない人の特徴として、労災を起こす人、会社を休む人、上司の指示を素直に聞けない人と言う特徴があります。

一般的なサラリーマンなら当たり前に出来る事なので、常識のない人は当然正社員にすることは出来ないという判断を下されるのは当たり前と思ってください。

期間工に期待するのは単純な労働力ですが正社員に期待するのは会社の中で定年まで無難に仕事を続けていける人です。

特別な基準では全くありません。

特に労災を起こすのは最悪です。

なれない人の特徴1:安全作業が出来ない人

労災を起こせばそれだけで印象が悪くなり正社員登用はされなくなる可能性が高いです。

絶対に労働災害は起こさないようにして下さい。

安全作業を行い、自分の命は自分で守ることが出来る。

これが正社員登用される上では最低条件です。

なれない人の特徴2:会社を休みがちな人

遅刻や欠勤、早退が多いとそれだけで正社員登用試験の対象になりません。

勤怠には気を付けて勤務するようにして下さい。

体調管理を徹底できないと正社員登用試験に推薦されません。

なれない人の特徴3:上司の指示を素直に聞けない人

特に自動車メーカーは上下関係に厳しいため、上司の指示を素直に聞けない期間工は正社員登用試験に推薦されません。

期間工から正社員になりたい場合には、少し無理をしてでも残業の申請には応じるなど融通を利かせてあげれば上司は喜びます。

上司に気に入られるようにしましょう。

正社員登用される可能性が高い年齢とは

ほとんどの自動車メーカーにおいて年齢が高いと期間工から正社員登用の試験を受けることが出来ません。

特に完成車メーカーのホンダは28歳までと厳しい年齢制限を引いています。

受かりやすいのは20代30代です。

40代以上は正社員登用は難しいと考えておいてください。

ただし、企業によっては40代でなれる会社もありますし、実績もあります。

企業や事例を後述していますので40代以上も諦めずにぜひ読み進めてください。

正社員登用率で分かる!正社員になりやすい期間工メーカー5選!

正社員登用率を基に、正社員になりやすい期間工メーカーを発表いたします。

正社員登用試験の合格率はおおむね受験者総数の10%程度になります。

正社員登用された人数が多いほど、率が高くなります。

スバル

スバルでは2020年から正社員登用が年間4回に増え、積極的に正社員登用を実施していることが分かります。

2025年現在までに2,515名が正社員登用されています。

2021年11月では、40名の期間工が正社員になっています。

スバル期間工の採用に関する詳細・応募はこちら

トヨタ自動車

トヨタ自動車では、2017~2022年の6年間で、1,339名もの正社員登用がありました。

5年間では900名以上と業界でも最高水準の登用人数です。

中途入社でトヨタの正社員を目指すよりも難易度が低いとも言われているため、世界のトヨタの正社員を目指す方にはおすすめです。

トヨタ期間工の採用に関する詳細・応募はこちら

デンソー

デンソーでの5年間の正社員登用実績は1,181人にもなり、こちらも業界トップクラスの水準です。

デンソーで正社員になると、長期で安定して働けるだけでなく、資格取得の支援制度があり、スキルアップ出来るのも魅力のひとつです。

大手メーカーの正社員を目指す方には、デンソー期間工はおすすめです。

デンソー期間工の採用に関する詳細・応募はこちら

日産自動車九州

こちらも正社員登用に非常に積極的で、年に3回登用試験を実施しています

2023年度は90名が登用されています。

日産自動車九州は、年収497万円、勤続ボーナス総額100万円など期間工の待遇も業界最高水準となっている点もおすすめポイントです。

日産自動車九州期間工の採用に関する詳細・応募はこちら

豊田自動織機

豊田自動織機正社員登用に積極的なメーカーとして人気があります。

2020年から2024年までの登用実績は、

  • 2020年:78名
  • 2021年:85名
  • 2022年:120名
  • 2023年:119名
  • 2024年:182名

年々増加傾向にあることが分かります。

他にも豊田自動織機は、選考スピードが早く、最短12日で入社できること、給与や手当が豊富で最初の半年で275万円稼げることなどから、できるだけ早く稼ぎたい人にもおすすめです。

豊田自動織機の応募ページはこちら

正社員になりやすい企業ランキング表

正社員になりやすい企業のランキングを発表いたします。

基準は実績人数と年齢制限から正社員登用への難易度を測っています。

30歳を超えても挑戦できて正社員登用の人数が多いというのが指標です。

ランキング 会社名 登用人数(近年総数)
1位 スバル 2,515名(累計)
2位 トヨタ自動車 1,339名(6年間)
3位 日産自動車 1,138名(7年間)
4位 デンソー 1,181名(5年間)
5位 豊田自動織機 584名(4年間)
6位 日産自動車九州 90名(2024年)
7位 大阪チタニウムテクノロジーズ 人数未公表※希望者の9割以上が登用
8位 アイシン 人数未公表※アイシンAWでは年600名以上の実績あり
9位 スズキ 人数未公表
10位 マツダ 人数未公表

期間工の正社員登用人数は毎年、生産状況によって変動します。

正社員登用アリと求人票に書いてあっても実績人数を掲示していないところは本当に登用人数が少ないので、人数をしっかりと明記している会社を狙うのがおすすめです

期間工から正社員になれた人の事例3選

正社員になれた人のケーススタディとして以下の3つのケースがあります。

事例1:高年齢でも現場の後押しで32歳で登用されたパターン

正社員登用試験の年齢制限が20代までとされていましたが、現場からの強い後押しで年齢制限を超えた32歳で正社員登用された期間工がいました。

元々優秀な方で、現場に配属されて1か月後には課長や係長から正社員登用試験に推薦するということが決まっていた方でした。

滅多にないケースですが優秀な期間工であれば年齢は関係ないという珍しいパターンでした。

事例2:真面目な人がなれたパターン

真面目にコツコツと仕事をしており、無遅刻無欠勤で人当たりも良く改善活動にもしっかりと参加されていた方が正社員登用されました。

期間工は真面目が一番です。

会社をよく休む人には仕事を任せることは難しいです。

事例3:管理職に気に入られたパターン

管理職に気に入られた子が正社員登用されたケースもあります。

能力などはさほどではなかったのですが、積極的に管理職とコミュニケーションを取り、基本的には無遅刻無欠勤の若手の期間工の子でした。

管理職の言うことをよく聞き、残業なども嫌な顔をせず引き受けてくれる好青年でした。

気になる正社員の待遇!給与・賞与・年収のすべて

正社員になると期間工時代よりも毎月の給料は下がります。

無遅刻無欠勤の場合に支給される皆勤手当てなどの手当がなくなり、満期慰労金などもなくなってしまうためです。

その代わり65歳まで勤務できる雇用の保証があります。

給料(月収)は20万円程度

手取りで20万円を超えていたらラッキーな程度になります。

正社員になる事で労働組合に入る関係上、無茶な残業が減ります。

後は、サービス残業になってしまうパターンもあります。

賞与は年間4ヶ月分以上

満期慰労金に変わり、ボーナスが支給されます。

自動車関連はボーナスの支給額についてはある程度目安があり、最低でも4ヶ月分以上は支給されるようになります。

年収は300万円台後半

20代で正社員登用に合格したとして、30代になるまでは年収300万円台後半になることが多いです。

残業がなくなってしまうことや、手当がなくなってしまうことが原因です。

「正社員になって給料が下がった!」と嘆く人はとても多いです。

コラム:寮は使える?気になる生活費について

会社にもよりますが、独身であれば独身寮はそのまま使わせてもらえます。

生活費については、正社員になっても負担は大きく変わりません。

寮は使えますし、食堂の昼食補助なども変わらないためです。

給料が減るのでなんとなくわびしい気持ちにはなりますが、そこは正社員なので仕方ないと割り切る必要があります。

期間工時代に残業で稼ぎまくっていた人達はかなり人事に文句を言ってきます。

期間工時代の高い給料は雇用の保証がない短い期間での仕事を前提とした給与なので、正社員になったらその分は出世して取り返すようにして下さい。

正社員登用を狙っているのであれば貯金に励むことをおススメします。

期間工時代のお金の使い方を正社員になってからもするとお金がない!と困ってしまうことが多いためです。

正社員になった場合には労働組合に入ることになりますので、労働組合からお金を超低金利で借りることは出来ますが、出来れば貯金しておきましょう。

会社によっては組合員になったら毎月一定額を貯金しなさいと給与天引きを強制される場合もあります。

まとめ

期間工から正社員になるためにはまず、正社員登用試験を実施していると公言している企業に入社することが必要です。

また、正社員登用試験を実施を公言している企業の中でも、実績数を明言している企業を選ぶようにして下さい。

正社員登用試験に合格するために一番大切なのは上司からの推薦を貰う事です。

自動車メーカーは現場の意見を尊重する風土を持っているため、現場の管理職に嫌われるとそこで正社員への道が閉ざされてしまいます。

正社員になれば65歳までの雇用が保証してもらえますが、その代わりに毎月のお給料は非常に安くなりますので、その点は注意しておいてください。

寮などはほとんどの会社がそのまま独身寮を使わせてくれますが、結婚した場合には出なくてはならないケースもあります。

正社員登用を目指している場合はしっかり貯金に励むようにして下さい。

正社員登用試験のある会社で、正社員を目指してみましょう!

監修者

上場・ベンチャー・中堅企業で様々な役割を経験。今なお、採用・人事の業務を最前線で経験し、「いま」の「生きた」知見を発信しています。