社会保険が気になり
「正社員じゃないけど社会保険ってはいれるのかな?」
「社会保険に入るメリットってなんなの?」
「実際、社会保険に入ったほうがいいの?」
と悩んでいませんか?
イザというときや将来に影響がありそうで不安になりますよね。
結論から言うと、社会保険に加入しないと大きなリスクがあります。
例えば職場でケガをしたときに何も保証もなかったり解雇されたときの失業保険も出ません。
将来、年金生活になったときに厚生年金がないため日々の生活も相当苦しいでしょう。
実はフリーターであっても正社員の労働時間の3/4(75%)以上働いていれば、社会保険に加入できます。
社会保険加入の対象者であれば絶対に入ることをおすすめします。
これらの知識は一度覚えるだけで一生通用しますので、ぜひ最後までご一読ください。
Contents
【重要!】フリーターでも正社員の労働時間の3/4(75%)以上働いていれば社会保険と労働保険に加入できる
「フリーターでも社会保険に加入することができるのかな」と気になっていませんか。
上述したとおり、フリーターであっても会社の社会保険と労働保険に労働時間の長さ次第で加入することができます。
具体的には、社会保険には正社員の労働時間が160時間とすると、120時間(3/4・75%)以上働いていれば加入することができます。
※160時間や一ヶ月の労働時間(週5日✕1日8時間勤務✕月4週の計算)
よく失業保険も社会保険と一緒のように取り扱われますが、実は失業保険は社会保険ではありません。
労働保険の一種です。
その労働保険には以下の条件で加入することができます。
- 週に20時間働くことが決まっている
- 31日間以上、雇用される見込みがある
上記の条件を満たせば加入することができます。
つまり、一般的には週あたり正社員の労働時間の75%(30時間)以上働いていれば、社会保険も労働保険も加入条件を満たすことになります。
また、厚生労働省は2018年4月より、従業員数501名以上の企業に対して、労使協定を結んだ企業に関しては、週20時間以上の労働時間であっても社会保険に加入することを認めています。
参考:厚生労働省 平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)
つまり、従業員数501名以上の企業に関しては、週20時間程度の労働時間働いていれば、社会保険も労働保険も全て加入できるということです。
では、フリーターは社会保険に入るべきでしょうか?
次ではフリーターが社会保険に加入するメリットについて解説します。
フリーターが社会保険に加入するメリットは、国保料が格安になること
「フリーターが社会保険に加入するメリットはなんだろう」と気になりませんか。
フリーターが社会保険に加入するメリットは、安い掛け金で大きな保険給付を受けられる点です。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 厚生年金に加入できるため、正社員と同額の年金を受給できる可能性が高くなる
- 会社が折半で健康保険料を支払ってくれるため、健康保険料が格安になる
それぞれについて解説します。
厚生年金に加入できるため、正社員と同額の年金を受給できる可能性が高くなる
厚生年金に加入することで、将来受給できる年金の金額が正社員と同額に出来る可能性があります。
通常のフリーターが加入する国民年金だけではどれだけ頑張って税金を納めても、満額で月7万円程度しかもらえません。
厚生年金に加入できると年金受給額がアップするため、安心することができます。
厚生労働省によると、厚生年金に加入することで、受給開始年齢(現在は65歳)になると、平均で月額18万円ほどを受け取ることができます。
参考:厚生労働省 平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生年金に加入することで、かけた年数にもよりますが、国民年金の2倍以上の金額が受給できるようになります。
会社が折半で健康保険料を支払ってくれるため、健康保険料が格安になる
健康保険も安く入ることができます。
具体的には健康保険料の半分を会社が支払うため、半額で健康保険に入れます。
個人事業主が入る国民健康保険よりも確実に安くなり半額程度となり、格安です。
要注意!労災保険をかけていない会社で働けば、労災死しても、認定までに時間がかかる!
滅多にあることではありませんが、社会保険や労働保険どころか、労災保険に加入していない企業もあります。
労災保険に加入していない企業を見分けることは難しいです。
ですが、長い労働時間を働いているのに保険加入を全くさせてくれない会社は危険であると考えましょう。
仮に労災にあって会社が労災未加入だった場合、労働者本人は労働基準監督署に訴えれば労災保険を受給できます。
しかし、実際に労災がおりるまでの間に、非常に時間がかかってしまいます。
労災に入らないこと自体が違法であるため、未加入の企業で働いている方は会社から離れるようにしましょう。
【人事の結論】手厚い社会保険は入った方がおすすめ
人事を10年やってきた経験から、フリーターでも月120時間以上働いている場合、社会保険に加入することをおすすめします。
社会保険に入ることで、健康保険料が安くなり、将来年金を受給できる金額が増加するメリットがあります。
社会保険に加入することでフリーターでも将来への備えをすることができますね。
一方でデメリットを知りたい方もいるでしょう。
次で解説します。
フリーターが社会保険に加入するデメリットは手取りが下がること
フリーターが社会保険に加入するデメリットは、給料の手取りが下がることです。
社会保険料と雇用保険料の本人負担分が給与から天引きされるためです。
おおむね2万円から4万円くらい、手取りが下がります。
痛い出費ですが、格安で保険に入れるのはお得と割り切ることがおすすめです。
以上がフリーターが社会保険に入るメリット・デメリットでした。
ただ、一部のフリーターから「うちの職場は社会保険に入れないと言われました」と相談を受けることがあります。
このようなケースについて次では解説していきます。
週に正社員の3/4(75%)以上働いているのに加入できない場合、労基署に相談か転職すべき
労働時間が正社員の3/4以上で社会保険に加入できない場合は、労基署に相談するか、転職をおすすめします。
なぜなら一部の経営者は意図的に社会保険に加入させないことがあるためです。
たとえフリーターだとしても社会保険は会社も負担する必要があります。
加入させないというのは、いわゆるブラック企業です。
義務である社会保険に加入させないことは非常に悪質な行為で、長く勤めるには向いていない会社です。
労災が起こったとき、社員を見捨てる可能性も高いです。
早めに転職すべきでしょう。
次は、社会保険の給付内容について解説します。
社会保険の具体的な保障を理解し、納得して加入しましょう。
社会保険の内容は3つ。手厚い保障をわかりやすく解説
「会社で加入できる社会保険ってどんな内容になっているの」と気になっていませんか。
会社で加入できる社会保険は全部で3つです。
よく「失業保険も社会保険」と間違われますが、それは労働保険に該当します。
ここでは
- 社会保険
- 労働保険
の2つについて解説していきます。
社会保険とは「健康保険・厚生年金・介護保険」を指す
社会保険とは労働者が健康的な生活を送ることをサポートし、将来の年金をかけて老後に備えるなどの保険給付を行うものです。
具体的には、以下の3つを指します。
- 健康保険
- 厚生年金
- 介護保険
それぞれについて解説します。
健康保険:会社加入の健康保険には傷病手当金がある。
会社加入の健康保険の最大のメリットとして、傷病手当金制度があります。
例えば、重い病気で休まなくてはならなくなったとき、1年と半年まではお給料の最大60%までの金額が傷病手当金としてもらえます。
国保には傷病手当金はありませんので、非常に手厚い補償内容となっています。
厚生年金:積立金は国民年金の2倍で、国民年金よりも安いケースもある。
厚生年金は労使折半という費用負担の方法が採用されています。
会社と本人の両方が厚生年金をかけるため、国民年金よりも多くの金額の年金の積み立てができます。
国民年金が全額を納付しても受け取れるのが7万円なのに対して、国民年金は、その倍程度の支給を受けられるケースがあります。
介護保険:40歳以上は強制加入。
介護保険は40歳以上になると健康保険料と一緒に請求されるものです。
将来、介護が必要になった時のために備える保険です。
健康保険に加入すると、自動で65歳までは健康保険料と一緒に請求されますが、65歳を超えてからは年金から差し引かれます。
次は労働保険について紹介します。
労働保険とは、雇用保険・労災保険を指す
労働保険とは、労働者を保護するために必要な保険給付を行ってくれるものです。
具体的に以下の2つを指します。
- 雇用保険
- 労災保険
それぞれについて解説します。
雇用保険:失業したときにお金を受け取りながら転職活動ができる
雇用保険に加入することで、失業したときにお金を受け取ることが可能です。
自己都合退職の場合は、1年間以上雇用保険に加入していると、失業保険を受け取る権利が発生します。
仕事を辞めなくてはならなくなったり、会社を解雇されたりしたときには非常に心強い存在です。
労災保険:労災保険があることで、ケガをしても無料で治療を受けることができる
労災保険は、どんな事業所も従業員を雇用形態問わず雇用した場合に、絶対に加入しなければならないものです。
例えば工場でのライン作業中などに指を怪我したり骨折した場合など、労災保険を使えば無料で完治するまで治療を受けることができます。
また、会社を労働災害が原因で休まなくてはならなくなった場合も、労災保険がお金を給料の60%程度は保証してくれます。
働くうえでなくてはならない保険です。
製造現場や重いものに囲まれた職場などの方は必ず加入しておきましょう。
ところで社会保険に入れば十分な年金を受け取ることが可能か気になりませんか?
最後に、フリーターが加入する社会保険が十分であるかどうかについて解説します。
フリーターの社会保険料は積立金額が低い。将来の年金受給額を増やすためには正社員になったほうがいい
「フリーターでも社会保険に入ることが出来るから、別に正社員に拘らなくてもいいんじゃないの」と思っていませんか。
結論を言うと、将来の年金受給額を増やすためには正社員になったほうがいいと言えます。
実は将来の年金の受給金額は、フリーターよりも正社員の方が圧倒的に高くなります。
なぜなら厚生年金の支給金額はかけた金額の高さの分だけアップするためです。
正社員には昇給・ボーナスがある分、正社員とフリーターで積立金額の差が大きく違ってきます。
生涯年収にしてフリーター(非正規)と正社員では1億円以上の差が出るとも言われています。
参考:生涯賃金 非正規雇用は1億円以上低い/正規と比較 派遣法大改悪で貧困拡大
将来、高額の年金を受給したいと考えている場合、正社員になって積立金額を増やしたほうが絶対にお得です。
もし本気で正社員を目指すのであれば「就活の戦略」が重要となります。
「【職歴なしの就職は戦略が命】正社員に就きたい方の就活法(30代・ニートOK)」で解説していますので少しでも正社員就職を検討している方は必ずチェックしてください。
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まとめ
フリーターでも正社員の労働時間の4/3(75%)以上働いていれば、社会保険と労働保険に加入することができます。
また、最近では従業員数501名以上の企業であれば、週20時間以上の労働時間でも社会保険に加入することができるようになっています。
社会保険に入るかどうか迷っている場合には、健康保険料が半額になる、厚生年金で将来の年金受給額が増えるなどのメリットがあります。
出来るだけ加入するようにしましょう。
加入条件を満たしていないのに、加入させてもらえない場合は、大きな損をすることになるため、転職をすることをおすすめします。
特に社会保険の中でも、会社で加入する健康保険には傷病手当金が使えるという国民年金にはない大きなメリットがあります。
フリーターでも社会保険に加入することは可能ですが、正社員を目指すことがおすすめです。
正社員は毎年、昇給があり、ボーナスからも厚生年金は積み立てがされます。
そのため、正社員のほうが将来の年金給付額がフリーターで社会保険に加入している人よりも、大きくなります。