資格で転職や就活を有利にすすめるために
「転職に資格は必要?資格でおすすめを知りたい。」
「かんたんに取得できて生計を建てられる資格を知りたい」
「仕事に役立つ資格を知りたい」
と気になりませんか?
筆者は約10年間、採用担当者を経験し数千名の面接してきました。
結論からお伝えすると業務に関係のある資格を取得すれば転職活動は有利になります。
ですがよほど業務に直結しない限り、資格があるからといっても評価はあまり変わりません。
企業としては即戦力であれば良く、資格の有無は選考に対し5%〜10%程度の重みでしかありません。
※後述しますが業務独占資格を除きます。
この記事を読めば効率的におすすめの資格を理解でき、転職や就活を有利にすすめることができます。
おすすめの資格を知りたいと考えている方は必ず一読してください。
Contents
おすすめの資格を知るために理解しておくべき2種類の資格
「おすすめの資格ってなんだろう」と思う前に、資格には知っておくべき2種類の資格があります。
資格には弁護士などのように国家資格で弁護士にしかできない仕事が法律で決定されている資格と名前だけの資格があります。
参考:士業|Wikipedia
具体的には、以下の2種類の資格です。
- 業務独占資格
- 名称独占資格
それぞれについて解説します。
業務独占資格
業務独占資格とは、特定の資格者にしかできない業務が法律によって定められている資格のことを指します。
弁護士・医師・公認会計士・司法書士・弁理士・税理士のように自分たちしか出来ない業務を持っている業務独占資格といいます。
日本では弁護士・医師・公認会計士の3つの資格が比較的年収が高く、法律によって無資格者の活動を警察が厳しく取り締まるため強いです。
また、税理士は確定申告や企業決算、年末調整業務を独占できるほか、弁理士は特許に関する業務を独占的に行えるためまだまだ活躍できる資格です。
税理士などは将来、AIに置き換わるとも言われていますが企業などの決算では人手による作業が多く、まだまだ人が活躍する仕事の見込みです。
名称独占資格
名称独占資格とは、文字通り名前だけの資格を指します。
資格を持っていなくても仕事自体をすることが出来ますが、名乗ることは禁止されているのが名称独占資格です。
昨今新設された資格でいくと、キャリアコンサルティング技能士などはキャリアコンサルタントを有資格者以外は名乗ることはできませんが、業務自体は資格がなくても行えるという状態です。
持っていても資格を持っているだけであり、取得することで何か業務を独占して行えるわけではありません。
つまり、実力ありきで資格を持っているからといって何か評価されるわけではないという資格です。
以下の表では、業務独占資格と名称独占資格について示しています。
項目 | 業務独占資格 | 名称独占資格 |
メリット | 国家資格であるだけではなく、資格保有者しかできない仕事があるため仕事を取りやすい。弁護士資格などは保有しているだけで一定の信用を集めることができる。 | 試験が簡単で比較的早く資格取得を行える。名刺に資格名を印刷できる。 |
デメリット | 資格取得には時間がかかるものや難易度が高いものが多い | 名称だけの資格なので実力がないと仕事自体が来ない。そもそも市場自体が存在せず年収がかえって下がる事態もあり得る |
資格の例 | ・弁護士 ・公認会計士 ・医師 ・税理士 ・司法書士 ・宅建士 ・行政書士 ・歯科衛生士 ・社会保険労務士 ・救急救命士 ・海事代理士 ・不動産鑑定士 ・電験三種 など |
・キャリアコンサルティング技能士 ・知的財産管理技能士 ・マンション管理士 ・労務管理士 ・FP技能士 ・中小企業診断士 ・日商簿記検定 ・MOS ・医療事務 など |
業務独占資格に関しては非常に高収入な資格が存在するのに対して、名称独占資格に関してはあまり高収入な仕事がないというのが現状です。
また、重要なポイントとなりますが名称独占資格の中でも転職活動に有利な資格は限られてきます。そのため転職市場で評価の高い資格を選ぶことが大切です。
ではどんな資格を選べば良いか要件を整理していきましょう。
おすすめの資格は年収が高めで仕事に困らない資格
おすすめの資格は年収が高めで仕事に困らない資格です。
特に民間企業で募集されやすい職種に関連した資格を取ると、採用担当者としても採用しやすいためです。
具体的には経理志望者は簿記2級を取ったり、メーカーやビルメンテナンスを行う会社などでは電験3種の資格を取得するなどの方法です。
民間企業で需要が高い資格を取得すると、採用されやすくなります。
「では、どんな資格がおすすめなの」と気になりませんか。
次は、おすすめの資格について解説します。
採用担当者歴10年が選ぶ本当に使える資格7選!
筆者がこれまで約10年間の間、面接を行い優先して採用した資格は、資格があることで計算能力の証明や、勉強する意欲を示せる以下の資格保有者でした。
- 簿記2級・簿記3級
- 医療事務
- MOS
- 宅建
- FP3級・FP2級
- 税理士
- 電験三種
それぞれについて解説します。
簿記2級・簿記3級
経理志望者は絶対に簿記2級または簿記3級を取得しておきましょう。
必ず経理をする上では必須なためです。
メーカーなどの安定企業に勤務したいと考えている方は特に入念に工業簿記の勉強をしておくようにしましょう。
30代以下であれば非常に転職しやすくなる代表的な資格です。
医療事務
医療事務の資格は病院などで事務職に就きたいと考えている方は取得しておくと有利となる資格です。
医療事務は名称独占資格ではありますが、病院の医療事務の点数計算などでは非常に重宝される可能性が高いためです。
医療事務が働く病院は地方にも存在します。そのため医療事務は地方就職や配偶者の転勤にも強い資格となります。
MOS
MOSは「パソコンが使える」というアピールをするには活用できる資格です。
iPadなどの普及で家にパソコンがなく、20代の若者でもパソコンが使えないという現象が起きているためです。
パソコンで確実に資料作成することができるスキルの証明としてMOSは非常に良い資格です。
特に40代の方などは転職の際に保有しておいた方が良い資格です。
年齢が高くなればなるほど「パソコンに疎い」というレッテルを貼られやすいため、必ずPCスキルをアピールするようにしましょう。
宅建
宅建は不動産業界を狙っている方には非常におすすめの資格です。
宅建は必置資格といい、必ず各事業所ごとに資格保有者を設置する必要性があるためです。
宅建保有者が不動産売買の際には必ず重要事項の説明などをしなくてはならないため、持っているだけで不動産業界の営業職として活躍できる可能性があります。
FP3級・FP2級
FP3級・FP2級は保険業界に勤務して高収入を得たい方に非常におすすめな資格です。
保険業界では個人の家計状況などを聞き、一番良いプランを選んでもらうような提案型営業が流行しているためです。
FP3級・FP2級を保有していれば、保険業界では営業先において様々な相談に乗ることができるため、採用される確率がアップします。
税理士
税理士の資格は実は非常に重宝される資格です。
特に大企業の経理・財務を狙っているのであれば有効です。
税務の仕事は絶対に企業にとって必要なためです。
筆者も上場企業で人事をしていた時代に、税理士の方を経理の主任としていきなり高待遇で採用したことがあります。
お金に強いというのはAIが発達しても武器となりますよ。
電験三種
電験三種は電気技術主任者のことを指します。
電験は第一種がすべての事業用の電気工作物のメンテナンスを行えます。
第二種は電圧17万ボルト以下の電気工作物のメンテナンスができ、第三種が電圧5万ぼると以下の電気工作物のメンテナンスが可能となっています。
独占業務であり電気系設備に関してはこの資格を持った管理監督者がいないと絶対に工事を行ってはいけません。
なぜなら電気は非常に危険であり工事の最中に死亡する恐れがあるためです。
試験は難易度が高いですが、各ハローワークで職業訓練校で資格取得を目指すこともできます。
仕事先自体が非常に豊富であり、ビルメンテナンスの仕事などをしたいと考えている方はぜひ資格を取得しましょう。
次は人事をしてきて評価ができなかったおすすめできない資格を紹介していきます。
就職・転職を目的とするのであれば見合わせることをおすすめします。
おすすめできない資格
筆者が採用担当者を10年ほど経験した中で、以下の資格は取得をおすすめしないと感じた資格があります。
具体的には、以下の資格です。
- 社会保険労務士
- 行政書士
それぞれについて解説します。
社会保険労務士
社会保険労務士は総務・人事部門に転職したいというケース以外では資格取得をおすすめしません。
筆者も人事を10年ほど経験していますが、労働法に詳しい社員は経営者に嫌われる傾向にあるためです。
もちろんすべての会社がそうではないですが、労働基準法に1つも違反してない企業を探す方が実は難しいのが実態です。
もし、会社の労務管理には穴があり訴訟されたら一瞬で敗北するようなことをしている会社が多いことも事実です。
もちろん総務・人事部門へ転職したい方は取得すれば評価されますので履歴書に記載すれば良いです。
一方でそれ以外の職種を志望する際には持っていると警戒され、かえって採用されなくなってしまう資格です。
行政書士
行政書士は活かすところが少なく、資格取得しても採用に有利にはなりにくい資格です。
なぜなら行政書士の資格は会社の総務部門で少し使うかなというレベルです。そのため活躍するシーンが少ないでしょう。
もちろん行政書士の資格を持っていると書類作成能力において総務部門にはアピールできますがあまり選考上有利になるということはない資格です。
さらに採用担当者にもよりますが下手に法律に詳しいということで採用から遠ざかる可能性は社労士同様あります。
ところで資格を取得すればすぐ採用されると考えていませんか?
筆者は採用担当をしていたため、資格と内定の関係について次で紹介していきます。
資格を独学で取得するよりも業務で覚えることが一番の近道
就職・転職のために独学で資格取得に励む方は非常に多くいます。
ですが上述した「名称独占資格」では資格保有者ではなくても仕事ができます。
実際、資格がなくても資格保有者以上に活躍する方は大勢います。
そのため名称独占資格では採用において「即戦力」であることが就職・転職において大きな評価ポイントとなります。
資格を持っていたとしても業務未経験であれば落とされることは非常に多くあります。
そのため資格取得に時間を費やし年齢を重ねてしまい転職難易度が上がってしまうくらいであれば、現場で覚えて後から資格を取得した方が効率的です。
企業によっては資格取得のために補助金をもらうこともできます。
企業は勉強した人も確かに評価しますが、経験者の方を優遇することを覚えておきましょう。
一方で業務独占資格である弁護士や公認会計士、司法書士の場合は資格がないとできません。まずは資格を取得しましょう。
【重要】履歴書には応募先職種と無関係な資格を書かない
応募先職種と無関係な資格は書かないようにしましょう。
あまりにも業務と無関係な資格がたくさん書いてあると「何を主張したいのだろうか?自意識が過剰で周囲に迷惑をかけるタイプの人物なのかな?」と勘ぐられてしまうためです。
具体例として、総務人事や経理志望者が社会保険労務士取得と履歴書に書いていれば経営者に「勉強しているな」と評価されます。
一方で同じ総務・人事・経理志望の方の履歴書に「漢字検定3級」と書かれると
「なんで実用性のない資格を記載しているのだろう。自分を大きく見てもらいたいのかな?相手がどう感じるとか考えていないのだろうな。」
と経営者に判断され印象が悪くなってしまいます。
業務と無関係な資格を履歴書に書くことは避けるようにしましょう。
まとめ
資格には、以下の2種類があります。
- 業務独占資格
- 名称独占資格
業務独占資格はその資格者でないと出来ない仕事がある一方、名称独占資格にはその資格者にしかできない仕事はありません。
名称独占資格を要している仕事は実務経験が問われる仕事の方が多いです。
おすすめの資格としては、以下の資格があります。
- 簿記2級・簿記3級
- 医療事務
- MOS
- 宅建
- FP3級・FP2級
- 税理士
- 電験三種
一方で以下の2種類の資格は取得をおすすめできません。
- 社会保険労務士
- 行政書士
資格取得は実務をしながら行うのが最も効率が良いです。
企業は資格よりも実務経験を重視するためです。
資格取得に時間を使うよりも未経験OKの仕事に飛び込み現場で覚えていきましょう。