未経験でシステムエンジニア(SE)はやめとけと言われる10つの理由!注意点や回避策の全てを解説

システムエンジニア(SE)やめとけの理由とは?

「未経験からシステムエンジニアはやめとけ」と聞き、残業や過労、将来性などに不安を感じませんか?

筆者が新卒でSEになった頃は過労死問題がニュースで取り上げられ、ついていけるか不安だったことを覚えています。

さらにエンジニア不足で各社採用している中で、真っ先に人員カットされる対象として兄から警告されたことも覚えています。

しかし、10年以上経ち振り返ってみると当初の悩みは考え過ぎだったことが多いように感じます。

この記事ではSIerとして7年働き、その後にメガベンチャーで7年働いた経験から多面的にSEをやめておいた方が良いかを考察していきます。

SEへ就職や転職を検討している方はぜひご一読ください。

目次

未経験でシステムエンジニア(SE)はやめとけと言われる10の理由

SEをやめておけと言われる大半はIT土方による待遇の悪さや疲弊によるものが大半です。

特にIT土方はピラミッド構造で見ると人数が多数のため、大きな意見となりがちですが長期目線で見れば中堅SIerや大手SIerへキャリアップすることで回避可能です。

SEの仕事自体は決して悪いものではありません。このような背景を念頭に置いてご覧ください。

下請けのSEは利益と裁量権が低く待遇や転職市場価値を上げづらいから

二次請けや三次請けに在籍するSEは裁量権や年収が低くなりがちとなるため「システムエンジニアやめとけ」と言われるケースが多くあります。

SEは、システム開発を請け負うSIerと呼ばれる企業に雇用され活動しています。

直接、クライアントから案件を請ける受けるSIerのSEは、要件や費用、スケジュールといった裁量が大きいため下記の特徴があります。

  • 利益率が高いため年収が高い
  • プロジェクト管理や要件定義、設計など上流工程が担当できキャリアアップできる
  • 転職時に経歴を高く評価される

一方で規模が大きい場合は一次請けのSIerだけでは作業しきれないため、別会社に発注します。※つまり多重請負が発生します。

二時請けのSIerは直請けのSIerに比べ下記のように条件が悪くなります。

  • 一次請けより利益率が悪いため年収が低くなる
  • 一次請けが決めた範囲の中で開発することになり裁量が低くなる
  • 一次請けより上流の工程を担当できない
  • 転職市場で評価されにくくなる

このような現象が3次請けにも同様に発生します。

このような下請け企業での傾向からSEやめとけと言われる理由となります。

炎上プロジェクトに巻き込まれると長時間労働・長時間残業になるから

システムエンジニアは参画しているプロジェクトが期日までに納品できない場合、残業と休日出勤が連発し激務となり疲弊するため「やめとけ」と言われます。

製造業や建設などと違い目に見えないシステム開発では、正確に工数(開発ボリューム)を見積もるのは難しく見誤ることが多くあります。

見誤ってしまうケースとして多いのが、開発すべき機能の抜けや要件定義のミスで、大幅な工数増加につながります。

対処策としては残業と休日出勤で開発を終わらせる他に、他のプロジェクトや部門、別会社から支援をもらうことになり、自分だけ早く帰るわけにはいかなくなります。

下請け企業の場合は発注元のミスで残業が連発するため、納得感もないでしょう。

長時間残業になると体力的にも精神的にも疲弊します。

(筆者は80時間の残業を3ヶ月以上続くと精神的に参ってきます)

所属するSIerによっては残業手当が出ず、SEやめとけと言われる原因がここにもあります。

SEは体力的に厳しいから

システムエンジニアは体力が落ちる40代などの中年以降は長時間残業で体力的にも厳しくなってくるため、やめておけと言われます。

若手と比べ、無理ができなくなっていく中で責任が増えていくためキツさは倍増です。

管理職になれば裁量も増え良いでしょうが、開発現場のままであれば体力的にしんどいと感じるでしょう。

睡眠不足や遅い夕飯で抜け毛や肌荒れに出る人もいます。

体力に自信のない方にはシステムエンジニアは避けた方が良いかもしれません。

SEはクライアントと折衝する必要があるから

システムエンジニアは予算やスケジュールの折衝が多い仕事であるため、やめとけと言われます。

特にシステムは目に見えづらいため仕様変更や追加など依頼されやすい一方で、想定外のトラブルが多く進捗管理やリスク管理の難易度が高い仕事です。

スケジュールが遅延するとどのようにリカバリーをするか案を考えて報告も必要です。

このようにSEはクライアントと多くのコミュニケーションが必要で折衝が多くストレスがかかるためSEやめておけと言われることがあります。

SEは技術力が低いと雑用作業にアサインされるから

SEは開発力がないと雑用にアサインされやすいためやめておけと言われることがあります。

スキルが低いと

  • リリース間近のシステムのテスト作業
  • 利用者向けにマニュアルの作成
  • QAに対する一次回答
  • プリンター用紙の切り替え

など、想定していたSEとしての仕事が任されないことで後悔する可能性も出てくるでしょう。

業務外でも勉強し、スキル習得に努めることが重要です。

超大手のシステムエンジニアになると技術力がつかないから

超大手のSE企業に入ると技術力がつかないためシステムエンジニアはやめとけと言われます。

なぜなら超大手のSE企業に入ると、顧客折衝やプロジェクトマネジメントばかりで、プログラミングといった技術力が必要な作業が少ないためです。

そのためプログラミングが好きな方は、技術力が付かないためSEはやめておいた方がいいと敬遠することがあります。

筆者の経験としても確かに企業規模や配属先によって技術力が付かないプロジェクトや部署に配属される方がいました。

その方は大手コンビニの保守・サポートが担当でしたので、プログラミングすることはなく技術力は上がっていないでしょう。

一方で筆者は、超大手に入社しましたが新規開発ばかりする部署に配属され、非常に技術力が向上しました。

配属は本人の適性や希望を見ながら行うことが一般的ですので、技術力ある方はそれが活かせる部署に配属されることが一般的でしょう。

もし気になる方は内定後に、配属予定の部署を確認してから応諾すれば問題ないと言えます。

プロジェクト運営が同じサイクルでシステムエンジニアに飽きるから

5年目〜10年目のSEになると同じようなシステム開発や見積りばかりとなり飽きが出てくるためシステムエンジニアやめとけと言われます。

筆者も30代の時に定年の60歳頃まで同じ仕事はつまらないなと感じていました。

一方で、お客さまとのやりとりが楽しいということで、いつまでも楽しく働いている同僚や先輩も多くいます。

そのため多動な人ほどSEやめとけという警告について、よく考えて判断することが重要と言えるでしょう。

技術の変化が早く勉強し続ける必要があるから

IT業界は新技術への移り変わりが他業界よりも早いため、常に勉強をし続ける必要がありシステムエンジニアはやめとけと言われます。

「これを覚えれば大丈夫」といった業界ではないため要注意です。

ITに興味がない方や学習意欲がない方には非常に辛い職種となるためSEやめとけと言われます。

そのような方はネットワークエンジニアを検討してみましょう。

ネットワークエンジニアは一定の規格や機器の範囲で構築・運用するため比較的に定型業務の多い職種です。

CCNAの資格を取得すれば転職もしやすく無料のスクールもあるためぜひ検討してみましょう。

SESを中心にブラック企業が多いから

中小のSE企業によっては、残業時間を管理せず長時間残業をさせたり残業代を支払わないブラック企業があるためシステムエンジニアはやめとけと言われます。

特に安価でIT土方的な作業を請け負う下請け企業に多く見られます。

SES企業では実質、多重派遣状態となっているケースもあります。

過労死ラインと呼ばれる1日4時間以上の残業が継続し疲弊して心を病む方も多くいます。

良い企業もあるため、ブラック企業を選ばないようにする必要があります。

システムエンジニアの仕事はAIの発達によってなくなるから

SEの仕事はAIによってなくなるからやめとけと言われます。

実際、OpenAIのChatGPTの登場により簡単なHTMLやCSSの出力はもちろん、JavaScriptやプログラミングコードの出力が可能となってきました。

現時点で、うまく指示(プロンプト)すれば、AIの出力結果を組み合わせることで完成版のプログラムを作ることも可能でしょう。

そのため、詳細設計書をもとにコーディングしているようなSEからAIに淘汰される可能性は多いにあります。

一方で、ChatGPTを使いこなし事業課題を解決する要件定義などクリエイティブ性の高い作業は残る可能性があります。

このようにAIによってSEの仕事がなくなってしまうと考えられているため、やめておけと言われることがあります。

システムエンジニアに向いていない人の特徴

に向いていない人の特徴

SEに向いていない人の特徴を紹介していきます。

該当する方は、作業にかかる時間やスキルアップのペースが遅く、苦労したり評価されづらい傾向にあります。

表層的な問題であれば対処可能ですが後述するようにIT技術に興味がない方はきついと言わざるを得ません。

高年収やスキルが身に付くことから希望する方は多くいますが、IT技術に興味の

特徴に該当する方は、一度冷静になってみましょう。

論理的な思考力がない人はSEをやめておいた方がいい

システム開発の現場では論理力が求められるため、無い方はSEに向いていないと言えます。

プログラミングにはもちろん、そのための設計や要件も論理で詰めていきます。

システム構築の現場では論理的思考が必須なため苦手な方は営業やQA対応などの業務を検討しましょう。

計画が立てられない人はSEをやめておいた方がいい

目に見えないシステムを組み上げるSEは計画する力が必須となるためできない方はSEに向いていないと言えます。

なぜならシステム構築の原価はエンジニアの人件費がメインであり、開発規模を正しく見積り、スケジュール通りに開発を完了しなければ原価率が悪化し利益がなくなるどころか赤字となるためです。

計画が苦手な人は大きな仕事を任せてもらえません。

計画性の無い方はSEをやめておいた方が良いでしょう。

ITに興味がない人はSEをやめておいた方がいい

ITに興味がない方はSEに向いていません。

仕事後や土日にITに関する情報に触れたくない方はおすすめできません。

何年もかけて技術や知識を蓄積してスペシャリストとなっていきますが、ITに興味がない方は嫌気がさしてくるでしょう。

また同僚と比べてインプットの量が足らず苦労することにもなります。

年収や憧れでSEを検討している方はSEをやめておいた方が良いです。

一人で仕事をしたい人はSEをやめておいた方がいい

システム開発は多くの人数が協力しあって構築していくため、一人で黙々と仕事をしたい方にはSEヲおすすめできません。

お客様に仕様を提案したり、プログラマーに仕様を伝えたり、お客様からの質問対応をしたりとコミュニケーション力が非常に求められる仕事です。

プログラミング工程だけを担当するプログラマーの方が良いでしょう。

人と関わらない仕事としてSEを選ぶことはやめておくことを強くおすすめします。

システムエンジニアの面接で評価の悪い志望動機

本章では、未経験からエンジニアを目指す方が面接で評価の悪い志望動機を紹介していきます。

エンジニアはスキルが身につき空調の効いた空間で仕事ができ、給与も高い傾向にあるため非常に人気です。

一方で、そのような条件だけが目当てでエンジニアを目指している方は入社後に活躍できずすぐに退職する傾向にあります。

筆者がエンジニア採用の面接の場で大きく評価を落とす志望動機を順に紹介していきます。

プログラミングなどに興味があるだけの志望動機

面接の場で一番多くがっかりする志望動機は、プログラミングやITに関して興味があるだけの方です。

このような方の大半は実際にプログラミングをコーディングしたことはなく、良くても本を読んだ程度です。

技術は会社に入った後に教えてもらうつもりなのでしょう。

実際に採用をしてみると、自ら持続的にエンジニアの勉強をすることはありません。

企業としてはこのような事例を多く経験しているため、興味があるだけ志望動機は大きく評価が下がります。

手に職をつけたいというだけの志望動機

手に職をつけたいという方の志望動機も評価が大きく下がります。

手に職をつけることが目的となっているため、エンジニアに興味がないためです。

このような方は、自分の適性を客観的に判断できていないケースが多く、実際にエンジニアとして業務を進めるとプログラミングどころかパソコンすら使いこなせない方がいるほどです。

そのため、手に職をつけることが志望動機の方はエンジニア採用時の評価としては大きく下がってしまいます。

一人で黙々と仕事をしたいという志望動機

人と関わらず一人で黙々と仕事をしたいという志望動機はシステムエンジニアの選考時に大きく評価が下がります。

お客様の要望を正しく理解し、プロジェクトメンバーと力を合わせて開発していくにあたってはコミュニケーション能力は必須だからです。

システムエンジニアは一人で黙々とする仕事には向かず、志望動機にする方は不適合だと言えます。

未経験からシステムエンジニアは本当にやめた方がいいのか?

システムエンジニアはや本当にやめといた方がいいのか?

システムエンジニアは本当にやめた方が良いのかと問われた場合、そうでもありません。

やめとけと言われる理由を回避する方法はありますし、一般的にSEは平均年収も高く手に職がつくため仕事に困りにくい職種であるためです。

さらに、SEは人材不足であるため3年程度キャリアを積んだらキャリアップの転職がしやすい傾向にあります。

経験を積み一次請けの大手SE企業へ転職することで、「やめておけ」と言われるデメリットを大きく減らすことが可能です。

一方で、論理的でないなどシステムエンジニアに向いていない人は苦労するだけになる可能性があり、やめておいた方が良いでしょう。

システムエンジニアとして活躍するために必要な資質

システムエンジニアとして活躍するために必要な資質

システムエンジニアとして活躍する人の特徴から求められる資質を紹介していきます。

当てはまっている方は前向きにシステムエンジニアを検討してもよいでしょう。

論理的思考力がある方はシステムエンジニアに合っている

システムエンジニアとして活躍している方は論理的な思考ができる方です。

プロジェクトは工程に分けてきっちりと管理しながら運営をしていき、大規模になるほど論理的です。

各工程は何をインプットとしてアプトプットにするかを緻密に設計をして開発者に託します。

システムの設計も同様で、どの利用者が使用しても整合性がとれた設計が必要になってきます。

俯瞰した網羅性と、重複のない区別をする力が求められます。

継続して勉強し続けられる興味と行動力がある人は活躍する

技術力が核となるシステムエンジニアは、スキルを習得するために長期的な学習が必要となります。

筆者はさまざまなエンジニアを見てきましたが、技術力が高い方のほぼ全員がプログラミングを好きという点です。

プログラミング好きだから業務後や休日も情報を吸収し続けられるのです。

IT技術に対する強い関心とそれを試す行動力がある方はシステムエンジニアに向いていると言えるでしょう。

気の利くシステムエンジニアは人気で活躍する

筆者の上司が重視していたポイントですが、気の利くシステムエンジニアは活躍する傾向にあります。

利用者にとってわかりやすい画面イメージや項目名、メッセージは利用者の評価に直接影響するポイントとなります。

また、用語の揺らぎがないマニュアルや設計書、ログなども重要です。

他にはお客様の業務を理解し、仕様の抜けや不整合な点を発見し、適切なタイミングでエスカレーションする方も重宝されます。

気が利く、効かないは育成しづらい能力であるため技術力が低かったとしても重宝されるでしょう。

未経験からシステムエンジニアになるときの注意点

システムエンジニアを目指すにあたって注意すべきポイントを紹介していきます。

なぜシステムエンジニアになりたいのかを明確にする

システムエンジニアを目指すにあたっては、なぜSEになりたいか明確にしましょう。

手に職がつくシステムエンジニアは非常に人気ですが、システムに興味がない方もおり、そのような方は挫折する方が多い傾向です。

システムエンジニアは常に技術を覚える必要があり、なぜシステムエンジニアになりたいかという明確な意志がなければ挫折につながってしまうでしょう。

可能な限り大手企業のシステムエンジニアになる

未経験からシステムエンジニアになる方は可能な限り大手企業のSEに就職・転職をしましょう。

なぜなら大手SEの方が中小のSEよりもキャリアアップしやすいからです。

中小企業では下請けの場合が多く、上流工程と呼ばれる設計や要件定義を担当できないケースが多いため大手SE企業の方がキャリアップに有利です。

未経験からシステムエンジニアを目指す場合は可能な限り大手のSEを目指しましょう。

転職エージェントは完全無料で利用できます。求人票だけでは分からない点が多いため相談して教えてもらいましょう。

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まとめ

SEやめとけと言われる大きな原因は下請けSIerでの待遇の悪さや疲弊によるものが大半です。

そのため、より待遇を良くするために大手や中堅のSIerに転職して元請の案件を担当できる環境に就職・転職しましょう。

そうすることで、年収アップやスキルアップ、転職のしやすさにつながり、充実したSEライフを過ごせるでしょう。

よくある質問と回答

文系はSEをやめたほうがいいですか?

文系だからSEをやめた方がいいということはありません

一般的に理系SEと比べ文系SEはコミュニケーション能力が高く上流工程で活躍する方が多くいます。

プロジェクトマネジメントや使用の調整、トラブル時などはコミュニケーション力が重要です。

大手SIerでも半数以上が文系SEでした。

ロジカルシンキングは必須ですが文系はSEをやめた方がいいと考える必要はありません。

 

SEは過酷で疲弊するというのは本当ですか?

同じSEであっても、大手か零細かで大きく働き方が変わります。

零細企業では残業代もでずブラック企業のような働き方もありますが大手ではコンプライアンスがしっかりしているため、よほどひどい状況にはなりにくいのが現状です。

そのため、こだわりがなければ上場している大手SIerのSEを狙いましょう。

 

SESを中心に未経験エンジニアが増えていますが大丈夫ですか?

システムエンジニアは工程に分けて仕事をするため、スキルが低い未経験エンジニアでもプログラミングはもちろん、テスト工程や運用フェーズで活躍する場は多くあります。

ITエンジニアは不足しており、まだまだ足りている状況ではありません。

逆にDXニーズにより不足している現状です。

受け身で仕事をしていればキャリアップに繋がらず雑用をこなすだけのキャリアになってしまう可能性もありますが、勉強をすれば設計や要件定義など上流工程を担当できるようになります。

 

 

監修者

ITエンジニアとして大手SIerとメガベンチャーを7年ずつ経験。3年前にフリーランスエンジニアとして独立しITエンジニアのキャリアについて発信。