無断欠勤で解雇されるのか?人事が教える無断欠勤のリスクの全て

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無断欠勤で解雇されるのか?

「無断欠勤をするとクビ(解雇)になるの?」

「無断欠勤するとどんな対応されるの?」

と気になりませんか。

筆者は人事を10年ほど経験をしたため無断欠勤の対処も行ってきました。

その経験からお伝えすると無断欠勤をした程度では従業員を解雇することはできません

従業員を解雇するためには労働基準法上の高いハードルがあります。

参考:リストラされたらどうする?知っておくべき解雇4要件と2つの選択肢

無段欠勤のまま音信不通になったとしても従業員を解雇するためには短くても半年は時間がかかります。

ただし無断欠勤をすることで会社からの信頼を失いますし、解雇の理由の1つにもなります。

会社からの信頼を失うことでより居心地も悪くなるでしょう。

この記事を読めば、無断欠勤について理解することができます。

会社を無断欠勤することについて気になっている方はぜひ、最後まで一読ください。

無断欠勤とは?定義は連絡なしで出勤日に休むこと

無段欠勤とは、会社に出勤すべき日に連絡なしで休むことを指します。

本来出勤すべき日に連絡もなしに休んでいるため会社との契約が果たされていない状態になってしまいます。

さらに無段欠勤をしてしまうと同僚や上司が「何かあったのかな」と気にしてしまうため周囲への配慮に欠けた行動であるともいえます

不要なコミュニケーションと対応が発生するため会社にとって非効率的な欠勤となります。

ところで「無断欠勤の定義は分かったけど、無断欠勤をするとどんなことになるの」と気になりませんか。

次は、無断欠勤をすると起こることについて解説します。

無断欠勤すると何が起こる?人事が紹介

筆者は人事を10年間経験し、大手を含め4社での人事労務管理を経験してきました。

その経験からお伝えすると多くの会社が会社の就業規則には

「社員が所定の労働日に出勤すること」を義務として定めています。

そのため、会社を無断欠勤すると就業規則違反となる可能性が高いです。

就業規則は会社と従業員がお互いに守るべきルールが記されているものなので破ると以下のような罰則が下る可能性があります。

  • 減給処分になる
  • 降格される
  • 会社からの信用を失う
  • 欠勤月の給与が減る可能性がある
  • 親が会社に呼び出される

それぞれについて解説します。

減給処分になる

無段欠勤をすると減給処分の対象になる可能性があります。

就業規則上、無断欠勤をすれば減給処分を行うという規定が設定されていることがあるためです。

反対に減給処分に関して就業規則に規定されていなければ従業員を処分することはできません。

手元にある就業規則をよく確認するようにしましょう。

就業規則は従業員が見たいと思ったときにいつでも閲覧できなければならないため場所が分からない場合は人事に要求しましょう。

ちなみに社員が就業規則を要求した瞬間に見ることができない状態は違法です。

降格される

無段欠勤をすると役職者は降格処分を受ける可能性があります。

特に課長職以上の役職者は会社からの命令を忠実に守り実行する立場にあり、社員の模範となるべき存在となっているためです。

社員の模範であるべき役職者が無断欠勤をして周囲に迷惑をかけるようでは信用されませんし、示しもつきません。

無断欠勤をするようでは管理職を降格されても仕方ないですね。

会社からの信用を失う

無段欠勤をすると会社からの信頼を失う可能性があります。

約束された日に出勤することは従業員の義務ですから、義務が果たされていないと会社側が判断すれば信用は当然のごとく失います

会社側は出勤日に関しては従業員が出勤して仕事をすることを期待していますので、期待を裏切れば信用はなくなります。

責任ある仕事が回ってくることが少なくなるでしょうし、成長や活躍が期待されない人にはチャンスも回りにくくなるでしょう。

誰にでも緊急で休むことはあるでしょう。

その場合は、欠勤の旨を事前連絡すべきですし、事後でも自ら連絡することが基本です。

欠勤月の給与が減る可能性がある

無段欠勤をすると無断欠勤当日の給与が減る可能性があります。

仕事をしていないため支払うべき賃金が存在しないノーワーク・ノーペイの原則が適用されるからです。

参考:厚生労働省 賃金に関する基本問題

ただし、のちに有給申請をして会社が承認すれば給与が減らないこともあり得ます。

どうしようもない事情で欠勤してしまった場合には事情を説明して有給申請を後日行うようにしましょう

親が会社に呼び出される

無段欠勤で何よりも恐れて欲しいのは親が会社に呼び出されるという事態です。

無段欠勤の日数にもよりますが、あまりに頻繁になると身元保証人であるご両親に連絡がいくケースがあるためです。

会社のことは基本的に社員と話し合いで解決したいと人事側も考えていますが、何度行っても改善しない場合は親御さんに連絡することもあります。

社会人にもなって親御さんが会社に来るのはかなり恥ずかしいことですよ。

「無断欠勤で解雇されることってあるの」と気になりませんか。

次は、無断欠勤で解雇される可能性について解説します。

1か月以上の長期にわたる無断欠勤は解雇される可能性がある

結論からお伝えすると、無段欠勤が長期化した場合は解雇される可能性があります。

目安は無断欠勤が1か月以上に及んだ時です

労働基準監督署通達の行政通達(S23.11.11基発1637号、S31.3.1基発111号)では

「無断欠勤が2週間以上に及んだ場合に解雇可能」ということが通達されていました。

ただし、実際に裁判に移行すれば2週間は目安であり実態に即して裁判所が判断することになっており日本ヒューレットパッカード事件では、40日間の無断欠勤であっても解雇は無効となっています。

参考:日本ヒューレットパッカード事件|労働基準判例検索-全情報

つまり、単純な無断欠勤の期間の長さだけで従業員を解雇できるかどうかは分からないということです。

ですが実際は裁判にまで移行したい方は少数でしょうからお気をつけ下さい。

ところで無断欠勤をすると以下のようなことが起こります。

  • 無断欠勤で懲戒解雇されると失業保険の受取が遅くなる
  • 無段欠勤で音信不通になると起こる悲劇

それぞれについて解説します。

無断欠勤で懲戒解雇されると失業保険の受取が遅くなる

無断欠勤で懲戒解雇されると失業保険の受取が遅くなる可能性があります。

通常の会社都合解雇であれば1週間の待期期間の後に失業保険を受け取れるのですが、懲戒解雇は労働者に離職の責任があると判断されるからです。

参考:H30_離職された皆様へ.indd|厚生労働省

懲戒解雇の場合は通常の離職者と同じ3か月と1週間の待期期間を待たないと失業保険の受取ができません

無段欠勤で音信不通になると起こる悲劇

無断欠勤で音信不通になると親が会社に呼ばれるという悲劇が起こる可能性があります。

無断欠勤が長期化すると、身元保証人になっている親御さんに連絡します。

そこでもし本人の居場所が分からない場合は、警察に捜索願をだしてもらう作業をしてもらいます。

捜索願は肉親以外は提出する権利がないため、親御さんが警察に行き、さらに会社に捜査の進捗状況を伝えなければなりません

「こんなことをする子じゃなかったのに申し訳ございません!」人事部で泣き崩れてしまう親御さんもいます。

無断欠勤で音信不通になることだけは絶対に避けましょう

「無断欠勤をしたら会社に訴えられることはあるの」と気になりませんか。

次は、無断欠勤での訴訟について解説します。

無断欠勤で損害賠償請求は実質不可能。会社側が負ける可能性が高い

無断欠勤をしたことによって会社が損害賠償請求の訴訟を起こす可能性があります。

ですが、現実問題として無断欠勤をしたことを理由とした裁判は会社が敗訴する可能性が高いです。

仮に無断欠勤をしたことによって業務に支障が出たとしても、会社には人員を確保して事業を回す責任があるからです。

通常の欠勤時にも同じことが言えますが、欠勤者が出たら社内で人事異動をしたり他の人材を採用するといった対処をする責任は会社側にあります。

取引先に対して、「納品が遅れました。実は無断欠勤をした社員がいたせいで遅れてしまいまして…」

などと言い訳をしても取引先には関係ありません。

「それならなぜ人を採用して対処しなかったの」と言われるのがオチです。

ただし、会社側に実際に損害を与えて無断欠勤をした場合は損害賠償を支払わなければなりません

ケイズインターナショナル事件では損害賠償請求の一部が認められています。

参考:ケイズインターナショナル事件|労働基準判例検索-全情報

基本的に無断欠勤をしただけという場合はその人でなければ絶対にできない業務に従事していない場合は損害賠償請求をすることは難しいです。

次は、会社側に責任がある場合の無断欠勤について解説します。

無断欠勤の原因が会社にある場合は問題にならない

「明らかに職場に問題があって休まなければならないのに、これも社員が悪いことになるの」と気になりませんか。

無断欠勤の原因が会社にある場合は欠勤者の問題となりません

会社が不法行為を犯している場合は会社に業務改善をする義務があるためです。

具体的には、以下のようなケースです。

  • メンタル疾患
  • 長時間労働
  • 労働災害での休養中
  • 急病

それぞれについて解説します。

メンタル疾患

メンタル疾患で会社を休まなければならないほど追い込まれている場合は、会社と一度連絡を取るようにしてください。

すでに無断欠勤をしたあとでも同様です。

会社と連絡を取り、精神科医に病状を確認してもらうようにしましょう

メンタル疾患に関しては会社の問題で発症しているケースも多いためです。

もしもメンタル疾患だと診断されたら診断書を発行してもらい休職することをおすすめします。

長時間労働

長時間労働は明らかに会社側に責任のある状態です。

特に1か月の残業時間が平均で80時間を超えている場合には過労死認定される可能性もある労働時間ですから労働基準法違反を会社が放置している状態です。

残業が蔓延している職場で体調を崩したり、精神的に疲れて無断欠勤してしまったとしても会社が原因であり従業員に責任はありません。

無断欠勤をしてしまったとしても「残業が常態化しており精神的・肉体的に辛かった」と伝えて職場復帰するようにしましょう

労働災害での休養中

労働災害での休養中は完治して30日が経過するまで解雇をすることができません。

参考:労働条件:解雇、退職(解雇制限、解雇の予告、退職時の証明) | 徳島労働局

労災認定されるということは労働基準監督署が「会社の責任で労働者が休まざるを得ない状態になったので責任を取りなさい」ということになるためです。

労災で休業に入っているのに無断欠勤扱いにして無理やり解雇するというケースも多々あります

労働基準監督署の労災認定を受けて休業しているにも関わらず無断欠勤扱いされた場合は会社に抗議するようにしましょう

急病

急な病気で無断欠勤をしてしまうことは十分に起こり得ることです。

さらに急病で休まざるを得ないケースでも会社が原因となっていることがあります。

急病に関しては会社の職場環境が悪くて体調を崩しているケースも含まれるためです。

無断欠勤をしてしまったとしても心配をかけてしまってすいませんでした」と謝罪して職場復帰できるようにしましょう

「もうどうしても会社に行きたくない」と悩んでいる方もいると思います。

次は、無断欠勤をする前にできることについて解説します。

無段欠勤をするくらい会社が嫌なら退職代行で退職するのも方法

無断欠勤をするくらい会社が嫌であれば異動願いを出すか退職をすることをおすすめします。

会社が嫌といっても一緒に働く同僚や上司、お取引先の関係のいずれかにストレスがある状態だと思います。

異動をすることで全ての人間関係をリセットすることも可能です。

転職をすると企業風土まで変わってしまうためよりストレスフルですので異動が可能であればまずは異動願いを出しましょう

もし異動できるような規模や環境ではない場合は退職も積極的に検討することがおすすめです。

会社は日本に420万社もあり、あなたに合う企業もきっとあります。

無理して所属してもストレスになります。

誰にも相談できず欠勤してしまう状況になるのであれば転職も視野に入れてみましょう。

もし退職しづらい場合は退職代行の利用も手です。

企業としては従業員を一方的に解雇するには時間と手間がかかり、雇用関係はすぐに切れません。

つまりあながた転職しようと思ったときに無断欠勤した企業との雇用関係が邪魔になる可能性もあります。

さらに会社側が解雇すると懲戒解雇となり、一度でも懲戒解雇をされれば職歴に傷がついてしまいます。

そのためスムーズに退職することも大切です。

退職代行SARABAは労働組合が運営している退職代行業者であり、労働者のことを考えて退職代行を行ってくれます。

弁護士に依頼すると着手金などが高いですが労働組合であれば利用料も弁護士より安くなります

休日や深夜も対応しており相談当日から代行してもらえます。

>退職代行SARABA相談はこちら

ところで「人事部は無断欠勤の社員が出たらどんな苦労をするの」と気になりませんか。

次は、解雇実務について解説します。

辞めますという意思表示がなければ本人の了承をとるために人事は半年かけて懲戒解雇を決行する

社員が「辞めます」という意思表示なしで無断欠勤をして音信不通になった場合には、会社は懲戒解雇を行うことになるでしょう

その手順ですが社員が音信不通になると、人事部は半年かけて以下のような流れで解雇の処理を進めます。

  • STEP1:本人に何度も電話する
  • STEP2:本人の家に行く
  • STEP3:内容証明で出勤を促す
  • STEP4:保証人(親御さん)を会社に呼び出す
  • STEP5:保証人(親御さん)から警察に捜索願提出
  • STEP6:社内で懲戒解雇稟議発案
  • STEP7:労働基準監督署に解雇しても良いか相談
  • STEP8:解雇

ものすごく時間もかかりますし、ストレスフルな業務となります。

退職の意思表示さえあればここまで厳しい手続きを踏まなくても良いので、退職代行で退職の意義表示をすることは重要です。

人事の立場からすれば「せめて退職願の一筆か、辞めますっていう言葉さえあればな」と思ってしまうほど時間がかかります。

まとめ

今回は、無断欠勤について解説しました。

特に本文中でも解説しましたが、無断欠勤を1日したくらいでは解雇はできません。

解雇はなくとも会社との信頼関係を失うので出来るだけ無断欠勤をしないようにしましょう。

無断欠勤のまま音信不通になってしまうくらいであれば退職代行SARABAなどを利用して退職の意思表示をして退職するようにして下さい。