経理の仕事内容をわかりやすく解説!3つのサイクルと財務との違い

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経理の仕事内容を知りたい方は

「経理の仕事内容を具体的に知りたい。仕事の一覧はないの?」

「経理の仕事は難しそう。自分にもできるかな?」

「未経験でもできると聞いたけど本当?資格は必要?」

と気になっていませんか。

筆者はこれまで約10年間、人事部に在籍していましたが同時に同じ管理部門仲間を助けるという意味で経理部に応援へ行き、合計2年弱の仕事経験があります。

その経験からお伝えすると経理業務は以下の3つのサイクル分けられます。

  • 日次業務(経費精算・伝票起案・売掛金管理等)
  • 月次業務(月次決算書作成・入金確認・支払いの完了確認)
  • 年次業務(決算整理・年次決算書作成・税務申告)

上記の仕事を繰り返して行っており、各仕事を完璧に仕上げられるようになったら順次財務を目指して出世を目指します。

経理の仕事は支払うべきお金を適切に支払い、入金されるべきお金が確実に入金されるようにすることです。

経理の仕事の難しさとしては企業の大量の入出金を1円もズレることなく記帳することと、忘れず完璧に日常業務を処理しないと会社が「不正経理をしている」などの悪いうわさが立ってしまうことです。

この記事を読めば、経理の仕事内容について理解することができます。

経理の仕事内容について詳しく知りたい、という方はぜひ最後まで読んでいって下さい。

経理の仕事内容は3つのサイクルに分かれる

「経理の業務内容は気になるけど、正直何をしているのか分からない」と気になっていませんか。

経理の業務内容は完全に裏方なので経理部に配属されない限り分からないのが当たり前です。

経営者の多くは「お金の情報を外に知られたくない」ということで上場企業を除いては経理の仕事が他に知られることはありません。

経理の仕事は1年を通して仕事は変わりません。

変わるのは経理を完璧にマスターした後に行う財務というハイレベルなお金の未来予測をする会計の仕事です。

経理の仕事は基本的に以下の3つのサイクルに分かれています。

  • 日次業務
  • 月次業務
  • 年次業務

それぞれについて解説します。

経理の仕事内容【日次業務編】

経理における日常業務である日次業務は会社の屋台骨を支え現場の社員をサポートする仕事です。

社員が大阪から東京に出張するので新幹線代が欲しい、といった小さな用事から会社の売り上げを管理する仕事まで様々な仕事があります。

具体的には、以下の仕事が経理の日次業務です。

  • 従業員の立替経費精算
  • 伝票の起案ならびに整理
  • 売上や受発注の集計作業
  • 棚卸
  • 取引先の情報管理
  • 現金出納帳管理

それぞれについて解説します。

従業員の立替経費精算

経理の仕事内容で日々発生するのが従業員の立替経費精算です。

交通費や宿泊費など仕事に関する支出で従業員が立て替えたお金を清算する仕事であり、怠ると従業員の家計に大きな損害を与えます。

会社にとっては1万円や5万円程度の金額は事業に影響しませんが、月給20万円の社員が個人で立替払いを5万円もすると生活が苦しくなってしまいます。

会社によって日々清算や月一回清算などやり方は変わりますが、社員の求めに応じて臨機応変に対処するようにしましょう。

ルールを守ることも重要ですが、臨機応変さも重要です。

伝票の起案ならびに整理

経理の仕事として、会社が必要としている伝票の起案と整理があります。

大きな仕事としては肝入りのプロジェクト立ち上げで協力会社に対し1,000万円単位での発注があれば、現場からの1万円単位の受発注まで様々な金額規模の伝票を起案します。

伝票起案で重要なのは「発注者が誰なのか」などの責任の所在を明確に記録することです。

伝票を作成することによって記帳がスムーズになり後で月次決算書を作成するのが楽になることもあります。

どんな取引も必ず伝票をつける癖を持つことが大切ですね。

売上や受発注の集計作業

売上や受発注の集計作業は経理が怠ってはいけない業務であり、営業職や製造現場などと連携をしっかりとる必要性がある仕事です。

理想通り製造現場や営業所がしっかりとした伝票や請求書を作成してくれていれば良いですが、ほとんどの場合は理想通りにはなっておらず確認作業が発生するためです。

売掛金の管理等もあるので、抜け漏れがないように集計するようにしましょう。

各部門から伝票や請求書が回ってきておらず「あれ?売り上げがズレてしまうぞ!大変だ!」とパニックになることも多々ある仕事です。

筆者も経理部のお手伝いをしていたときに集計が合わずに慌てましたが、現場と普段から連携をとっておけば先回りしてミスをなくせます。

棚卸

棚卸とは、いまある在庫と経理のデータ上の在庫が一致しているかどうかを正確に把握する仕事です。

棚卸を半年に1回しているような企業もありますが、原則、現場に毎日やってもらうようにしましょう。

棚卸は普段からしておくべき内容の仕事であり、手を抜いていい仕事ではないためです。

決算の時期になってから慌てて現場の在庫を確認するようにわざわざ休日出勤まで命じる企業もありますが普段から在庫とデータを突き合わせる作業をしておけばめったにズレることはありません。

在庫とデータがズレたらすでに経理のデータは「活用しても無駄」という状態に陥っています。

あるはずの在庫が店舗にない、あるはずの部品が工場倉庫にないという状態では管理ができないです。

企業の収益を改善するために必ず在庫の突き合わせは日常業務としておきたいですね。

取引先の情報管理

取引先の情報管理とは文字通り、取引先の経営情報などを記録していく仕事です。

例えば

「取引先が不渡りを出しそうだ」

「あの取引先は暴力団と付き合いがあるらしい」

「あの取引先は最近、公官庁から指導・逮捕されたそうだ。

取引はもうしない方がいいかも知れない。

コンプライアンス違反をするような企業と取引していたらうちも問題になるのではないか」

といった情報をいち早く収集し取引を続けるのかどうかを確認しましょう。

反社会的勢力の排除の機会にもなる仕事であり、会社を守るためにも取引先の情報を更新し、ときには取引の中止を経営者に具申することも大切な仕事です。

現金出納帳管理

現金出納帳管理の仕事は現金の入金と出金を正確につけていくことです。

現在はキャッシュレスな取引が主になっており、現金出納帳の金額が激しい変動をすることは少なくなっています。

上場している従業員が数千名の企業でも金庫の中身はほぼ空っぽで従業員の現金清算用に数十万円入っている程度という状態ですね。

いくら出して誰に払ったのかなどをしっかりとつけていけば大きくずれることはあまりありません。

「日次業務は簡単そうだな」と思いませんでしたか?

ところが次で紹介する月次業務は、集計を正確にしないとミスするものばかりなので難易度が上がります。

経理の仕事内容【月次業務編】

月次業務は主に集計して正確に支払いを実行していきますが、ミスをすると後戻りできないデータばかりになります。

月次業務をおろそかにしていると、年次業務で最大の難関である「年次決算」に致命的なズレが生じて決算月に会社から帰れなくなりホテルに泊まりこみで作業するハメになります。

ホワイトなイメージの上場企業でも決算になると泊まり込みで作業する経理スタッフを毎度見ます。

月次業務としては、いかの業務があります。

  • 給与計算
  • 取引先からの入金確認
  • 月次決算書の作成
  • 住民税と所得税納付
  • 取引先への支払い
  • 社会保険料納付

ぞれぞれについて解説します。

給与計算

月次業務として人事総務部がない場合に経理部が給与計算を行う必要性があります。

人事総務がない会社では給与計算を行う部署がないので必然的に経理部で社員の給与を計算する必要性があるためです。

給与計算に関しては複雑な労働法規や税法の知識が必要となり、勉強しないとミスを連発して社員から怒られることもあり得ます。

どれだけ給与計算が難しい仕事だと言っても社員からすれば「給料計算のミスはありえない」という感覚のため、ミスを起こしたときの信頼は大きく落ちます。

給与計算はミスがなくて当たり前の仕事なのでパーフェクトにこなしてください。

取引先からの入金確認

経理の月初めの仕事として、取引先から先月した仕事の入金がされているかどうかを確認するようにしてください。

取引先から期日までに入金があるかどうかは重要です。

もし、入金されていなければ取引先の倒産など「仕事をしたのにお金の支払いがされない」という状況にある可能性があるからです。

入金されていない他の原因としては営業がお金の回収をしていない可能性もあります。

特に意識する点としては、営業に対して普段から「売ることばかりではなくしっかりお金の回収をしてきてほしい」と伝えるようにすることです。

営業の方はが商品を納品してそれで終わりという意識となっており、お金の回収は仕事ではないと考えているためです。

経営感覚を持っていれば「商品が出ていっているのに現金が入っていない」という状態に対して危機感を持つべき状況ですが、その感覚が薄い営業マンが多いのです。

納品したら入金を確認するまでが営業の仕事です。

経理としても意識づける発信をすることが大切です。

月次決算書の作成

一か月の取引をまとめたものを月次決算書といいます。

月次決算書は実施している企業とそうでない企業があります。

月次決算書を作成しなくても年次の決算書さえ作れば企業は問題ないためです。

ただし、月次決算書を作成しておくことでこれまでの取引がまとまった状態になるので年次決算書作成業務の負担が減るというメリットがあります。

もしも月次決算をしておらず年次決算で大慌てになるくらいであれば月次決算をしておくと良いでしょう。

住民税と所得税納付

住民税と所得税の納付は月に1回発生します。

両方とも毎月従業員の給与から引き、住民税・所得税ともに引き去りをした月の翌月10日に納付します。

注意点としてはどちらも期日より早めに納付しておくことです。

1日でも遅れると延滞金がかかります。

もしも従業員数が1,000名を超えている場合は「三菱UFJ BizSTATION」などの振込サービスを活用しましょう。

参考:BizSTATION(BizSTATION/BizSTATION Light)|三菱UFJ銀行

住民税計算データをCSV形式で送付すると自動的にUFJが振り込みを行ってくれます。

住民税は所得税と異なり各都道府県ごとに納付する必要性があるので従業員数が多ければ対応を考える必要性があります。

特に住民税の支払いに遅れると全国の市区町村から催促状が届くため悲惨なことになります。

ルーチン化しやすい仕事ですので忘れず支払うようにしましょう。

取引先への支払い

取引先への支払いが漏れていないか必ずチェックしましょう。

取引先への支払いが遅くなると「あの会社ヤバいらしい。倒産するかも知れない」と悪いうわさが流れる可能性があるからです。

また、取引先への支払いが遅れると取引先から「もう取引を続けることは難しい」と判断されて貴重な取引先を失う可能性があります。

特に下請事業者への支払いは1日たりとも遅れないように注意しましょう。

下請け業者にとっては入金が全てであり、入金がなければすぐに他の取引先に移ってしまう可能性があるからです。

必ず支払日を確認して確実に入金するようにしましょう。

社会保険料納付

健康保険料と厚生年金保険料の納付は忘れず行いましょう。

特にペナルティはありませんが、納付されていないと将来年金額が減り社員が困ることになります。

所属する健康保険組合などに納付書を必ずもらい納付日をチェックするようにしてくださいね。

次はいよいよ最難関の年次業務について解説します。

経理の仕事内容【年次業務編】

経理において年次業務は1年間の締めの業務であり、ミスは許されない仕事です。

年次業務の中で決算の仕事は会社周辺のホテルを借りて仕事をするなど残業時間が多くなることもあります。

年次業務としては、以下の業務があります。

  • 決算整理
  • 年次決算書の作成
  • 税務申告
  • 半月ごとの賞与振込
  • 労働保険料算定
  • 中間税務報告書の作成

それぞれについて解説します。

決算整理

決算整理の仕事はこれまでの仕訳を再度見直し・精査して年次決算用に仕訳を行う仕事です。

毎月企業会計は複式簿記で日々の取引が仕訳をされていますが、年次決算前に最終確認を行うことでミスをなくすことが目的です。

また、各月の仕訳の中でも「これはどの項目で処理したらいいのだろうか」というものが必ずあります。

どの項目で処理していいか分からない数字を改めて精査して仕訳を行い会計処理することになります。

年次決算書の作成

決算整理が完了したらいよいよ年次決算書の作成に入ります。

年次決算に関しては事業年度終了から2か月以内に税金の支払いを行う必要性があるため、期日内に年次決算を行わなければなりません。

年次決算業務を行うことで1年を通しての企業の経済活動の結果が明らかになり、財務諸表の作成が完了します。

ミスが許されないのはもちろんのこと、曖昧なお金の流れがあれば経営者や部長職などにしっかりと確認を行い

「このお金はこの仕訳で処理していいですか」などの最終確認も行うようにしましょう。

特に注意すべき点としては「分からないお金を分からないまま推測で仕訳すること」です。

今年度に誤った処理をすれば来年度も誤った処理をする可能性が高いからです。

経理の仕事は企業が存続する限り続くので誤った処理を放置しないようにしてくださいね。

税務申告

税務申告は決算月の末日から2か月を経過するまでに行う必要性がある超重要業務です。

年次決算書で確定された金額をベースに税金を支払います。

年次決算書ができていればあとは支払うだけです。

ただ、納期に遅れると延滞税などのペナルティがあります。

企業の信用にかかわる仕事なので必ず期日内に申告するようにしましょう。

半年ごとの賞与振込

企業の賞与の支給時期で左右されますが、半年ごとの賞与振込業務があります。

給与は毎月支払うものなので習慣化されていますが、賞与は期日が違うので振込処理を忘れないようにする必要性があります。

企業によっては儲かったときだけ賞与があるというパターンもありますね。

忘れないように注意をして確実に処理してください。

労働保険料算定

労働保険料の算定は、全従業員の賃金を知らないとできません。

計算式は以下の通りです。

  • 労働保険料=全従業員の賃金の総額×労災保険料率

そのため場合によっては総務または人事が計算し、納付のみ経理が担当するということがあります。

もし総務人事が会社に存在しない場合には経理が担当することになります。

余談ですが労災保険はメリット制度と呼ばれる制度があり、従業員数が100名以上の規模の事業者などが何度も労災を起こしている場合には保険料が上がってしまう可能性があります。

中間税務報告書の作成

中間税務報告書には法人税と消費税に関するものがあります。

法人税の中間税務報告書の作成は前年度の納税金額が20万円を超えた事業所に課せられた義務です。

消費税の中間税務報告書の作成は前年度の納税金額が48万円を超えた場合に義務となる書類です。

忘れず報告書を作成するようにしましょう。

紙で郵送している場合は納税時期の通知が会社まで手紙で来ますが、e-tax処理をしている場合は上記の納付時期になっても通知がe-taxにしか来ずに見逃す恐れがあります。

必ず納付時期を確認して納付するようにしましょう。

大企業と中小企業で経理の業務範囲は変わる

大企業は業務が細分化されているのに対して、中小企業では業務が細分化されておらず業務分掌の考え方が弱くなります。

つまり、大企業では役割分担ができているためルーチン化しやすい一方で、中小企業では少人数の経理部員で複数業務を個なる必要があります。

例えば、細分化された大企業の納付業務では下記のような内容です。

  • 給与計算
  • 労働保険料算定
  • 住民税
  • 所得税

人事部等があれば上記業務の計算は人事等で行われるため、経理部は納付するだけとなります。

一方で管理部門が経理しかいないという企業であれば上記業務をすべて経理が行うので負担は大きくなります。

大企業の方が楽でいい、という側面がある一方で業務全体を把握し、出来るようになるまでに大企業は時間がかかる傾向にあります。

早く実力がつくのは中小企業の経理でしょう。

待遇優先で大企業に務めるか、中小企業に在籍し経理の仕事を早く覚えてしまってどこでも通用する人材になるかは自分自身の価値観に従って決めることとなります。

ところで「経理は男性の多い職場なの」と気になりませんか。

次は、経理の仕事内容は男女で変わるのかについて解説していきます。

経理の仕事内容は男女変わらない

経理の仕事内容は男女で変わりません。

むしろ女性管理職比率が高い企業もあります。

明確な統計などはないですが、筆者が複数社で10年ほど人事をした経験からいっても女性社員比率が高いのは経理です。

営業や製造などは男性社員しかいない企業でも経理には女性社員が多いというケースがあるためです。

また、仕事内容に関しても男女で差がありません。

お金の計算などをしっかりできる几帳面な人が好まれる部署です。

経理部は女性管理職が多く在籍する企業もあり、女性にとって良い仕事です。

経理と財務の違いとは

経理はすでに使ったお金の計算をするのに対して、財務は経理が出してきたお金の情報をベースにこれからのお金の予測する仕事です。

そのため経理と財務の仕事内容は全く違う性質を持っているといっても過言ではありません。

経理は会社全体のお金の流れが見えているのですから積極的に改善案を出すなどして経営改善の仕事をしていくことが財務担当として求められます。

つまり財務まで出世しようと思えば経理のルーチンワークばかりしていてはたどり着けないでしょう。

次は、未経験から経理になる方法について解説します。

経理に未経験からなる方法

経理に未経験からなる方法としておすすめな方法が簿記2級の資格取得です。

経理に関しては未経験であっても簿記2級の資格があれば採用される可能性が非常に高いためです。

経理の仕事は知識がないとスムーズに進めることが難しいです。

一方でルーチンワークが中心のため経理の知識さえあれば現場で教えてもらい、こなしやすい仕事です。

簿記2級はしっかりと勉強した方でないと取得できない資格です。

未経験であっても簿記2級があることで基礎知識があることを判断できるため書類選考の通過率もグッと上がります。

経理に興味がある方は迷わず簿記2級を取得しましょう。

スクールに通うことでスムーズに習得ができるため、独学ではなくスクールも検討することをおすすめします。

まとめ

今回は、経理の仕事内容について解説しました。

経理の仕事内容としては基本的に以下3つのサイクルに分かれます。

  • 日次業務(経費精算・伝票起案・売掛金管理等)
  • 月次業務(月次決算書作成・入金確認・支払いの完了確認)
  • 年次業務(決算整理・年次決算書作成・税務申告)

経理と財務は似ているようで実は異なります。

経理はすでに使ったお金の計算をするのに対して、財務は経理が出してきたお金の情報をベースにこれからのお金の予測する仕事です。

経理の仕事を覚えることができたら財務の仕事に挑戦してみましょう。